Amazon Web Services(AWS)は米国時間7月15日、医療機関によるクラウドベースのヘルスデータの保管や利用を可能にする「Amazon HealthLake」サービスの一般提供(GA)を米国の一部リージョンで開始したと発表した。このサービスはクラウド大手のAWSにとって、ヘルスケアやバイオ医薬、ゲノム関連の分野の顧客向けに特化したクラウドサービスを提供するヘルスイニシアチブの一環となっている。
HealthLakeは、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠したサービスだ。構造化されていないヘルスデータを活用する組織を支援する。「Fast Healthcare Interoperability Resources」(FHIR)という業界標準を採用し、データの形式を整えて、オンプレミスのシステムからセキュアなクラウドベースのデータレイクへとデータを移行できるようになっている。HealthLakeは機械学習(ML)機能を用いて医療用語や臨床データを分析し、データに対して標準化されたラベルを付与することで検索や分析を容易にする。また、HealthLakeは患者の診察などのイベントをタイムラインにインデックス化し、医療従事者に各患者の病歴などを総合的に確認できる時系列のビューを提供する。これらすべてを実現し、AWSの顧客はアナリティクス機能やML機能を用いて、新たに構造化されたデータを分析できるようになる。
このサービスは12月に開催された「Amazon's re:Invent」で発表された。AWSの人工知能(AI)担当バイスプレジデントMatt Wood氏は、ヘルス分野の取り組みではさまざまなフォーマットのデータが多数のリポジトリーに分散していることが障害となっており、データの準備やステージング、加工に何週間、あるいは何カ月もかかっていると説明していた。
これまでに、ラッシュ大学医療センターなどがHealthLakeを利用し、新型コロナウイルス対応に役立てている。自閉症のほか、脳関連の疾患を持つ子どもにヘルスケアサービスを提供しているCorticaは、患者の治療の進行に関するより深い洞察を得る上で、HealthLakeを利用している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。