トレンドマイクロは、東京五輪の映像を配信するNHKや民放テレビ局の偽サイトが複数出現し、アクセスすると「ブラウザ通知スパム」に誘導される恐れがあるとして注意を呼び掛けた。
ブラウザ通知スパムは、ウェブブラウザーに搭載されているウェブサイトなどからのプッシュ型通知機能を悪用して、ユーザーをサイバー犯罪サイトなどに誘導する手法。プッシュ型通知機能は、ユーザーがウェブサイトに訪問して通知の配信を登録しておくと、サイト側が通知を配信した際に、ユーザーのコンピューターなどにポップアップなどで通知内容が表示される。
犯罪者は、ユーザーにブラウザ通知スパムを登録させるために、東京五輪の映像を配信するテレビ局のサイトやサービスになりすましたと見られる。トレンドマイクロはGoogle検索で複数の偽サイトを確認したが、7月19日12時の時点では検索結果に似サイトが表示されなかったという。
不正な中継サイトへ誘導するページのGoogle検索での表示例。欧州の楽器メーカーの正規ドメイン内に存在し、改ざんによって設置された可能性があるという(出典:トレンドマイクロ)
ブラウザー通知の「許可」ボタンをクリックさせる手口(出典:トレンドマイクロ)
ブラウザー通知スパムの例(出典:トレンドマイクロ)
同社は、「サイバー犯罪者のもくろみは既に頓挫したものと言える」とコメント。ただ、五輪に便乗するサイバー攻撃は昔から幾つもあり、引き続き注意が必要だとしている。