Salesforceは、Slack Technologiesの買収が完了したと発表した。買収規模は277億ドル(約3兆円)。「成功をどこからでも実現するためのデジタル本社」を生み出すとしている。
提供:Salesforce
買収は米国時間12月1日に発表された。この発表によって、大手CRM企業であるSlaesforceが、コラボレーションやワークフローの分野で存在感を高めようとしているのではないかという憶測に終止符が打たれた。
Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は、「どこからでも仕事ができる世界を実現する先駆的なデジタルプラットフォームのSlackが、CRMのトッププロバイダーであるセールスフォースの一員となることを嬉しく思う。SalesforceとSlackはともに、エンタープライズソフトウェアの今後を形成し、すべての組織が顧客と従業員の成功をどこからでも実現できるようにする『デジタル本社』を創造していく」とコメントしている。
同社はプレスリリースで、Slackとの統合によって、「新しい仕事の世界のためのビジネスオペレーティングシステム」を創造するとしている。
また、「企業の本社は、大都市中心部の一等地ではなく、クラウドの中にある。すべての業界のすべての企業は、デジタルファーストの顧客、従業員、パートナーの体験を最適化する必要がある」と述べている。
「私たちがどこでどのように働くかということについてすべてを再考し、再構築するまたとない機会だ。SalesforceとSlackの統合で、新しい仕事の世界のためのビジネスオペレーティングシステムの創造を目指す」
また両社は2020年から発信していたメッセージをあらためて示し、共同で「Slack-first Customer 360」を提供するとしている。これにより、企業はビジネスに関する信頼できる唯一の情報源を得ることが可能になり、従業員、顧客、パートナーが相互につながり、日々の業務で使うアプリケーションに接続するための単一の統合されたプラットフォームを利用できるようになるという。
また同社は、「SalesforceとSlackが統合することで、ソフトウェア業界で最もダイナミックな2つのコミュニティが集結し、広範なエコシステムが構築され、次世代のデジタルファーストなアプリケーションやワークフローをビジネスに提供することができる」としている。
Slackは引き続き、同社の共同創業者でCEOであるStewart Butterfield氏の指揮の下で、Slackブランドで運営される。
Slackは6月に発表した2022会計年度第1四半期の決算で2790万ドルの純損失を計上した。売上高は、前年同期比36%増の2億7340万ドルだった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。