「TikTok」はユーザー数が10億人を超え、ショートビデオコンテンツ市場を手中に収めている。TikTokがこの分野のリーダーになったのは、退屈を感じてちょっとした笑いを求めていた何億人もの人にとって、時宜を得た適切なサービスだったからだ。とはいえ、Linuxとオープンソースのソフトウェアがなければ、うまくいくことはなかっただろう。TikTokを運営する字節跳動(バイトダンス)もそのことは分かっている。そのため、バイトダンスがOpen Invention Network(OIN)に加盟したことはそれほど驚く話ではない。
OINは、世界最大規模の特許防衛コンソーシアムだ。Linuxとオープンソースの関連ソフトウェア、それを支える企業を特許攻撃やパテントトロールから守っている。2020年に「Linux System Definition」を更新し、Linuxの中核プログラムや周辺のオープンソースコードだけでなく、「Android Open Source Project」(AOSP)やファイルシステムの「exFAT」(Extended File Allocation Table)などの特許まで対象を拡大している。
バイトダンスは、OINのライセンシーおよびコミュニティーメンバーになったことで、「Helo」や「Resso」のほか、「今日头条(Toutiao)」「抖音(Douyin)」「西瓜视频(Xigua Video)」といった中国向けプログラムの特許を共有することになる。
なぜそうするのか。それは、Microsoftをはじめとする多くの加盟企業と同じように、「Linuxとその周辺のオープンソースソフトウェアはビジネスの重要な要素」だと考えているからだと、バイトダンスのチーフIPカウンセルであるLynn Wu氏は言う。同氏はさらに、「バイトダンスがOINのコミュニティーに参加するのは、われわれがイノベーションの共有に一貫して取り組んでいく姿勢を示すものだ。中核であるLinuxとその他の重要なオープンソースソフトウェアの技術に対して特許権を行使せず、継続して支援していく」と述べている。
TikTokのライバル企業の快手(Kuaishou)も最近、OINに参加した。近年、ハードウェア大手の浪潮集団(Inspur)など、多くの中国企業がOINに加盟している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。