ソフトウェア開発者は現代の企業の発展に向けてますます重要な役割を担うようになってきており、優雅な生活を送れるだけの高い収入を手にできるようにもなっている。テクノロジー関連の訓練を手がけるO'Reillyが新たに公開したレポートによると、データ科学や人工知能(AI)分野に携わるプロフェッショナルが2021年6月時点で受け取っている年収は平均で14万6000ドル(約1600万円)だったという。
テクノロジー関連の訓練を手がけるO'Reillyの調査によると、2021年においても開発者の収入増に関する見通しはよくないという。
提供:Luis Alvarez/Getty
しかしO'Reillyの調査レポートによると、開発者が手にする収入には大きな格差があり、不均衡なものになっているという。またこのレポートでは、開発者が過去1年の間にキャリアアップという点で直面した難題にも光が当てられている。
O'Reillyは、データ科学とAI分野における収入や、キャリアの機会、課題の把握を目的として調査を実施し、英国と米国の3136人から回答を得た。
最も多く(34%)のプロフェッショナルの年収は10万~15万ドル(約1100万~1650万円)の範囲に分布しており、その次に多かった回答(26%)は15万~20万ドル(約1650万~2200万円)だった。
プログラミング言語という点で見た場合、Rustを用いているプロフェッショナルの平均年収が18万ドル(約1980万円)超と最も高く、その後にGoの17万9000ドル(約1970万円)、Scalaの17万8000ドル(約1960万円)が続いている。
一方、回答者の間で最もよく使われていたのはPythonであり、この言語を用いている回答者の平均年収はおよそ15万ドル(約1650万円)だった。
同レポートの執筆者であるMike Loukides氏はこうした収入の格差について、卓越したレベルのRust開発者は容易に見つけられないという点で、組織にとってより価値の高い人材となっているとし、米ZDNetに対して、「Pythonプログラマーの需要は極めて多いものの、供給も極めて潤沢だ」と述べている。
「Pythonプログラマーはさまざまな訓練コースによって、数千人単位で生み出されている。この言語は大学のコンピューター科学の入門課程で用いられる標準言語となっており、科学分野でのデータ分析で一般的に用いられている2つの言語のうちの1つでもある。RustやGoの需要は少ないものの、その供給ははるかに少ない」(Loukides氏)
そして同氏は、「RustやGoは注目を集めている最先端の言語だ。RustあるいはGoの能力が高いと主張すれば、仕事で実際に必要となるかどうかは別にして、基本を超えたスキルを有していると示すことになる」と付け加えている。