ソフトバンクは9月22日、トレンドマイクロの支援で社員をセキュリティ人材に育成するプロジェクトを開始したと発表した。デジタル変革(DX)に関するビジネスでサイバーセキュリティの知識が必要になっているためだとしている。
同社のビジネスは、通信やIoT、人工知能(AI)、ビッグデータなどDXに関わるものが多く、新商品などの企画や設計などの初期段階からサイバー攻撃などの脅威やリスクを念頭に、安全性の確保や対策などを取り入れて具体化する「セキュリティーバイデザイン」(Security by Design)の実践が必要になっているという。
プロジェクトでは、商品やサービスの目的や特性、ビジネスプランなどを理解した上で、どのようなリスクがあるかを把握する必要があり、まず開発やマーケティング、営業など部門の幹部約200人を対象にする。トレンドマイクロがセキュリティ人材育成サービス「サイバーセキュリティーナレッジトレーニング DX推進担当者向け」をソフトバンク向けにアレンジして提供し、顧客などの環境を考慮したリスクの洗い出しやサイバーセキュリティーリスクの検討など、影響や発生頻度を踏まえた実践的なリスクマネジメントのスキルを習得できるようにする。また、所属部門のサイバーセキュリティ推進役も担う。
ソフトバンク 執行役員 CISO(最高情報セキュリティ責任者) テクノロジーユニット 技術管理本部長の飯田唯史氏は、「セキュリティに関する従来の社員教育に加え、顧客環境や部門の業務特性に応じた教育プログラムを順次展開し、これまで以上に効果的なセキュリティ対策を各部門が自律的に講じていくようにする」とコメントしている。