Amazon Web Services(AWS)、Google、IBM、Microsoftを含むテクノロジー大手が、データ管理とアナリティクスの業界団体EDM Councilと協力し、クラウドにおけるデータ管理のための「Cloud Data Management Capabilities(CDMC)」フレームワークを構築している。
プロジェクトは、包括的なクラウドデータの管理機能、クラウド向けの標準とベストプラクティス、マルチクラウドとハイブリッドクラウドの実装を構築するとともに、機密データを保護するための自動化された鍵管理機能を採用している。100社以上がこのプロジェクトに取り組んだ。
EDM CouncilのプレジデントJohn Bottega氏は、「CDMCフレームワークの策定を促進し、監査可能で認証されたクラウドデータ管理のベストプラクティスを、あらゆる業界にライセンスフリーで提供できるようにすることを光栄に思う」とコメントした。
CDMCは当初、金融分野を念頭に置いて開発されていたが、全ての業界を対象に拡大された。
Google Cloudのデータアナリティクス製品管理担当ディレクターEvren Eryurek氏は、あらゆる規模の企業や業界が、変革を推進するためにますますデータに依存するようになっており、クラウド化が加速していると述べている。
「企業が変化に対応できるスピードは、将来に向けてうまく舵取りできるか、取り残されてしまうかを分かつものになっている」とEryurek氏は指摘した。「CDMCフレームワークは、企業が今後もデジタル変革を加速させ、リアルタイムデータの力を効果的に活用して事業を再構築する上で、非常に大きなリソースになるだろう」(同氏)
EDM Councilによると、これはクラウドサービスプロバイダーの最大手4社が共同でイニシアチブに取り組んだ数少ない機会の1つだ。EDM CouncilのCDMCワークグループは、このプロジェクトに約18カ月間取り組んだという。Morgan Stanleyとロンドン証券取引所グループ(LSEG)が統括し、Capcoがプロジェクトを管理する。
CDMCフレームワークは、6つのコンポーネント、14の機能、37のサブ機能で構成されており、すべての業界の組織が効率的にクラウド環境を管理できるようにする。
6つのコンポーネントは、データのガバナンスとアカウンタビリティー、カタログ化と分類、データのアクセシビリティーと使用法、データの保護とプライバシー、データのライフサイクルと技術的アーキテクチャーだ。
AWSの世界事業開発、金融サービス担当ディレクターScott Mullins氏は、CDMCフレームワークは、データマネジメントの包括的な最新のベストプラクティスにアクセスするための貴重なリソースになると述べている。
CDMCフレームワークは、EDM Councilの会員および非会員を問わず、ライセンスフリーで利用可能だ。
IBMの金融サービスデータおよび人工知能(AI)担当最高技術責任者(CTO)Rajiv Chodhari氏は、「世界の金融サービス業界にとって、次に重要なハードルとなるのは、マルチクラウド環境におけるデータ管理のために、標準的なベストプラクティスを導入することだ。とりわけ、データのプライバシー保護や規制準拠のための管理が重要になる」と述べた。
「サイバー犯罪が急増しているほか、顧客の最も重要なデータの管理者である金融機関に、規制当局がますます厳しい目を向けており、この分野に対する大規模な投資と調整が必要であることは明確だ。EDM Councilはこうした課題に対応すべく、金融サービス業界やパートナー企業と足並みをそろえるための重要な1歩を踏み出した」(Chodhari氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。