東洋紡グループは、グループ全体のヘルプデスク環境およびインシデント管理を刷新のため、ServiceNowの「IT Service Management」(ITSM)を採用した。ServiceNow Japanが10月5日に発表した。導入は東洋紡システムクリエートが担当した。
ITSM導入においては、国際規格ISOとフローの比較・検証、さらには率先してITIL(IT Infrastructure Library)の資格を取得し、それに近いフローを決定していった。現在はインシデント管理に的を絞った運用を開始しているが、今後は構成管理、資産管理に着手していく予定だ。
同グループは、ITSM採用に至った理由の1つに、「ServiceNow Service Portal」の機能を挙げている。グループ内の社内ユーザーに使いやすい直感的なユーザーインターフェースによる自己解決率の向上が見込むことができ、いつでも、あらゆるデバイスからでもアクセス可能で、またデータの分析・可視化の点も評価された。
導入効果として、以前と比べてヘルプデスクの対応が早くなったことだけでなく、ナレッジ検索ができるようになったため社内ユーザーの自己解決率が向上し問い合わせに費やす時間が短縮されたことなどが挙げられている。
また電話中心だった問い合わせがメール中心へと移行し、問い合わせメールとITSMを連携したことで業務負荷が大幅に軽減したという。これに伴い、問い合わせが増えれば増えるほどナレッジとして蓄積されていくため、回答の精度が部門全体で向上したことも大きな導入メリットとなっているという。
さらに問い合わせ内容の一元管理・最適化は業務フローも可視化できるため、各人員のタスクの優先順位付けやエスカレーションフローの確立が容易になり、生産性向上にも大きく寄与しているという。
今後、同グループはチャットボットを充実させServiceNowと連携させることでインシデント時のさらなる迅速な対応、利便性の向上を進めていく。将来的にはServiceNowを全社コミュニケーションの活性化基盤として、営業や人事といった他のシステムと連携させていく予定だという。