マルウェアの「Emotet」が、2021年1月のテイクダウンから約10カ月ぶりに活動を再開した模様だ。米国のサイバーセキュリティ研究者らが現地時間11月15日、ブログやメディアを通じて分析結果などを明らかにした。
Emotetは、ボットネットを攻撃インフラに使い、メールなどを通じてスパムや不正プログラムを大量拡散させた、近年では非常に悪名高いマルウェアの1つだった。2021年1月27日に、欧州の司法当局がオランダに構築されていたEmotetのインフラを無効化し、数年に及んだEmotetによる脅威の封じ込めに成功したと見られていた。
G Dataのセキュリティ研究者のLuca Ebach氏は15日、ブログで協定世界時(UTC)の14日午後9時26分に、「Trickbot」による複数のボットネットにおいてEmotetと識別されるDLLがダウンロードされていることを確認したと報告した。
テックメディアのBleepingComputerが報じたところによれば、Emotetはまだ新たな攻撃インフラを構築する初期段階にあるという。しかし、マルウェア研究グループのCryptolaemusは16日午前、Twitterで、既に「Microsoft Office」の更新を装うEmotetの新たなスパムメッセージが生成されたとしてスクリーンショットを公開し、少なくとも4~7つのボットネットから拡散が開始されたと警告している。
またabuse.chは、今回のEmotetの活動に関係していると見られるC&Cサーバーなどの情報を公開、更新しており、組織のIT管理者などへ早急にEmotetの拡散を防ぐ行動を開始してほしいと呼び掛けている。