本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏と、アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏の発言を紹介する。
「新しいコラボレーションの形で日本企業に次の大きなことを創造する環境を提供したい」
(ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏)
ミロ・ジャパン 代表執行役社長の五十嵐光喜氏
チームコラボレーション用オンラインホワイトボードプラットフォーム「Miro」を提供する米Miroの日本法人ミロ・ジャパンは先頃、事業戦略についてオンラインで記者説明会を開いた。2021年5月設立の日本法人社長に就任した五十嵐氏の冒頭の発言は、その会見で、日本法人としてのミッションを述べたものである。
社名でも製品名でもあるMiroは、スペインの画家であるJoan Miro(ジョアン・ミロ)にちなんだもので、サービスとしては「メンバーが分散して作業を行うチームに、アイデアやイノベーションを視覚的に示す無限のキャンバスを提供するコラボレーション用ホワイトボードプラットフォーム」というのが売り文句だ(図1)。
図1:チームコラボレーション用オンラインホワイトボードプラットフォーム「Miro」の概要(出典:ミロ・ジャパン)
米本社は「ベストなコラボレーションソリューションを提供することで、お客さまが次の新しく大きなことを創造する力を生み出せるようにする」ことをミッションに掲げている。五十嵐氏によると、これを受けて日本法人でも「世界のベストプラクティスを活用した新しいコラボレーションの形を提供し、日本のお客さまが次の新しく大きなことを創造する環境を提供していく」ことをミッションに掲げている。冒頭の発言はこの内容をコンパクトにしたものである。
会見の内容は関連記事をご覧いただくとして、ここでは会見の質疑応答で「日本法人社長としての意気込み」を聞いた筆者の質問に対する五十嵐氏のコメントを紹介しておこう。
「日本法人の立ち上げから社長に就任しておよそ半年が経ったが、今も非常にエキサイトしている。Miroについてはこれまで英語版しかなかったにもかかわらず、日本でも既に多くのお客さまに愛用されており、SNSには『Love Miro』とのコメントも少なくない。非常に有望なツールなので、私としてもこれまで培ってきた知識や経験をフルに投入して大いに広めていきたいと考えている」
五十嵐氏はこれまで、日本マイクロソフトやApple Japanで法人向け事業の要職を、Dropbox Japanでは社長を務めるなど豊富なキャリアを持つ。特にDropbox Japan社長としての「明言」を本連載でもたびたび紹介してきた。
その中には、自らの事業や製品・サービスに関わる内容だけでなく、例えば、「テレワークは『ジョブ型』でなければできないわけではない」(2020年7月22日掲載)、「ITコンシューマライゼーションの流れがクラウドサービスにも来ている」(2017年6月9日掲載)といった同氏ならではの意見もうかがうことができた。
これからも引き続き、新しい立場に就いた五十嵐氏ならではの明言に注目していきたい。