米サイバー防衛当局のトップは米国時間12月4日、米軍がランサムウェア攻撃グループに対して攻勢をかけていることを明らかにした。米国企業がマルウェア攻撃の標的となるケースが増えていることを受けたものだ。
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米サイバー軍司令官と国家安全保障局(NSA)長官を兼務しているPaul M. Nakasone氏は、The New York Timesの取材に対して、9カ月ほど前までは、ランサムウェア攻撃への対応は法執行機関の責任だと考えられていたが、米国最大の石油パイプライン企業Colonial Pipelineや食肉加工大手JBSの食肉生産工場に対する攻撃が「わが国の重要インフラに影響を与えた」ことで、連邦政府の関係機関がランサムウェア攻撃グループに関する情報の収集と共有を強化することなったと述べた。
Nakasone氏は、具体的な対応や対象となったグループについては説明しなかったが、ランサムウェア攻撃グループに対して「コストを課す」ことが目的の1つだと語った。
米国では、連邦政府や民間企業に対して一連のサイバー攻撃が相次いだことで、重要インフラの脆弱性に関する懸念が再燃している。
米国では、5月に発生したColonial Pipelineに対するランサムウェア攻撃が原因で、東海岸の広範囲で燃料不足が発生した。またその約1カ月後には、JBSの米国法人がランサムウェア攻撃を受け、食肉加工工場の操業が一時停止した。
Joe Biden米大統領は5月、Colonial Pipelineが受けた攻撃によって、重要インフラを守るためにさらなる対応が必要であることが明らかになったと述べ、米国のサイバーセキュリティを高めることを命じる大統領令に署名している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。