Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月7日、2つ目のトップシークレットリージョンである「AWS Top Secret-West」の運用を開始したと発表した。この新しいリージョンは、米政府の秘密区分レベルで「Top Secret」にあたるワークロードを運用可能だと認定されており、防衛、諜報、国家安全保障分野の顧客のニーズに対応できる。
AWSは、2014年に最初のトップシークレットリージョンである「AWS Top Secret-East」を開設している。このリージョンは、「Top Secret」に指定されたワークロードに対応できる最初の商用クラウドサービスだった。
この2つのトップシークレットリージョンは1000マイル(約1600km)以上離れているため、遅延が重視されるワークロードでは、ユーザーの近くにあるリージョンにデータを保存することが可能になる。耐障害性を確保するため、各リージョンは複数のアベイラビリティゾーンで構成されている。
AWSのトップシークレットリージョンは、米国家情報長官(DNI)が発令するIntelligence Community Directive(ICD 503)と、米国立標準技術研究所(NIST)が発行するSP 800-53 Revision 4に準拠していると認定されている。
AWSはすでに防衛産業との関係を確立しているが、過去に問題がなかったわけではない。2019年には、米国防総省が10年間に渡る100億ドル(約1兆円)規模の共同防衛インフラ事業(JEDI)の契約をMicrosoftと結んだが、AWSはそのほぼ直後にこの契約に異議を唱える訴訟を起こしている。AWSは、Microsoftが契約を獲得できたのは、当時の米国大統領だったDonald Trump氏がAmazonと当時の同社最高経営責任者(CEO)だったJeff Bezos氏を嫌っており、圧力をかけたためだと主張していた。
11月には、米国防総省がAWS、Microsoft、Google、Oracleに対し、新たな数十億ドル規模の新規クラウド契約への応札を要請した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。