前回と前々回に続き、Toil(労苦)の削減に重きを置いたDevice as a Serviceの導入ポイントを解説しています。ここでのキーワードは「API」と「ワークフロー自動化」。今回は、後者を取り上げます。
日本企業で「ワークフロー」と言うと、承認業務だけを指すことが多いですが、本来は「仕事(ワーク)の流れ(フロー)」、業務は全てワークフローです。
例えば、PC運用の場合、新しいPCを買うと、資産管理台帳に登録します。ユニークな管理番号を割り当て、シールを印刷して物理的にPCに貼るということをしている企業が多いでしょう。システム上の操作のみならず、シールを印刷する、貼るなどの物理的な仕事(ワーク)が発生します。これらをひっくるめて「ワークフロー」と呼びます。このワークフローを自動化していこうと思うのは、効率を重要視する企業であれば自然な動きです。
そのワークフローの自動化は、今IT業界では改めて注目されています。
ZDNetに掲載されたこの記事の中にもありますが、面白いのは、どのITベンダーもコラボレーションツールとの連携を中心に展開を進めようとしている点です。そして私は、ワークフローが2022年のIT業界最大のバズワードになると見られる「メタバース」と関係するだろうと密かに考えています。
コロナ禍において、働き方の中心は、テレワークになりました。従来は、会社に行って仕事を始めていましたが、今やどこにいてもPCの前に座るだけで仕事を始めることができます。「会社に行く」と「PCの前に座る」が、同義になりました。これは、PCがまさに会社そのものになったことを意味するでしょう。「デジタル本社」などと呼ばれます。
昨今、さまざまなシステムやクラウドサービスを利用して、多くの仕事がデジタルベースになっています。しかしながら、それらのシステムやクラウドサービス間をつなぐのは人であり、多くの人が働く企業では、その合間にさまざまなアナログのコミュニケーションを必要とします。先ほどのPCを買った時のワークフローを思い出してください。