前回まで3回に渡って「Toil」(労苦)削減のためのDevice as a Service導入のポイントについて解説してきました。今回は総まとめになります。
改めて「Toil」とは、何でしょうか。前回までに以下のようなものと説明してきました。
- 手作業であり、繰り返されること。自動化が可能なこと
- 主業務への割り込みを発生させること
- 長期的な価値を持たないもの。習熟が不要なこと
- 作業量がサービスの成長に比例すること
Toilは、不要なものではなく、必要なものです。多少なら問題ないのですが、多過ぎると、組織や個人にダメージを与えていきます。繰り返しの単純作業は、退屈です。割り込みにより主業務の重要なタスクの進行に影響が出ます。習熟の必要がないので、やりがいを感じません。PCの運用は、そんなToilの塊です。
昨今の企業には、従業員に働きやすい環境を提供することが求められています。働きやすい環境の提供は、企業が存続していくために重要とされています。仕事におけるToilの割合が大きい場合、従業員はやる気を失い、組織から活力が失われていきます。そんな企業が継続的に成長していけるわけがありません。
PCの運用現場も然りです。PC運用の技術は、20年ほど前から大きく変わっておらず、アナログな作業ばかりで、それに関わる人たちを疲弊させます。PCの運用と聞くと、雑用と思う人がいるかもしれません。
現在サイバー攻撃のエントリーポイント(入口)は、エンドポイントです。多くの企業でエンドポイントは、PCになります。コロナ禍によって働き方が激変し、仕事を始めるタイミングは、「会社に行く」ことから「PCの前に座る」ことになりました。もはやPCは、オフィスそのものと言っても過言ではありません。
企業にとってPCは、非常に重要な存在ですが、その運用に関わる人たちがその運用の仕事にやりがいも希望も見いだせないとしたらどうでしょうか。さらに、多くのPCが俗人的に運用されているとしたら、非常に危険な状況だと言えます。PC運用の現場からToilをなくすことが重要です。そのような状況を打破する救世主が「Device as a Service」だと考えます。