Rustは最も重要なプログラミング言語とは言えないかもしれないが、さまざまな場で利用されるようになっている。Amazon Web Services(AWS)やGoogle、MicrosoftはいずれもRustを後押ししている。そしてRustは今や、Linuxカーネルや「Windows」「Google Chrome OS」「Android」のシステム記述言語の1つに採用が検討されるまでになっている。
しかし、この新しくどこか難解なところもあるRustの習得は容易とは言えない。Rust Foundationは、「Community Grants Program 2022」プログラムで、この言語の習得を目指す人々を支援しようとしている。
プログラムへの応募は米国時間4月1日から受付が開始される。エイプリルフールの冗談ではない。
プログラムの予算は、AWSや華為技術(ファーウェイ)、Googleからの支援もあり、62万5000ドル(約7600万円)という規模となっている。Community Grants Programは、Rust開発者コミュニティーに対し、彼らの取り組みを支援するために資金を提供する。
以下は準備されている4つの助成プログラムだ。
- Rust Foundation Fellowships(Rust Foundationフェローシップ):最大20人の個人に対して、1年間にわたって月額1000ドル(約12万円)の奨学金と、旅費及び研修費が支給される。
- Project Grants(プロジェクト助成金):個人やグループ、組織による個別の成果に応じて1000〜2万ドル(約12万〜240万円)の一時金が与えられる。
- Event Support Grants(イベント支援助成金):イベントを支援する目的で100〜500ドル(約1万2000円〜6万円)が個別に与えられる。
- Hardship Award Grants(ハードシップ助成金):金銭的な困難に直面しているコミュニティーメンバーに対して500〜1500ドル(約6万〜18万円)が一時金として与えられる。
一般的に言って、これらの助成金はRustが直面しているいくつかの大きな課題に取り組むためのものだ。課題は、Rustの急峻(きゅうしゅん)な学習曲線から、Rustメンテナーの増加やチーム拡大の必要性まで多岐にわたっている。
Rust Foundation Fellowshipは、Rustプロジェクトのメンテナー個人に対する単なる金銭的支援以上のものを提供する。このフェローシップ制度によって、相補的なスキルの学習や、イベントへの参加、Rustエコシステムのさまざまな利害関係者とのネットワーク作りといった幅広い機会が提供される。同時に、最も興味を引かれたRustアクティビティーに取り組めるようになる。この制度は、メンテナーのコミュニティーに新たなメンバーと多様性をもたらすことを目的としている。フェローはいずれ、Rustをリードする立場になるだろう。
Rustに投資する広範な人々の優先事項は、バグ修正、ドキュメント化、学習素材、新機能などであり、このプロジェクトの助成金はこのような課題に対処するさまざまな活動を実現する目的があるという。さらに、広範なコミュニティーに恩恵をもたらす革新的な新しいプロジェクトを育む狙いもある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。