Microsoftは米国時間8月29日、「Azure」でArmベースの仮想マシン(VM)の一般提供を9月1日から開始することを明らかにした。4月にプレビューの開始を発表していた。
Microsoftは、サーバー向けプロセッサーを製造するスタートアップであるAmpere Computingとの協力によってAzureにArmベースのVMを導入した。Ampereは、2021年にMicrosoftと騰訊(テンセント)が顧客に加わったと発表している。
Amazon Web Services(AWS)は、数年前からすでにArmベースのVMを提供している。Google Cloudも7月、Ampereと協力して同様のサービスを提供する予定であることを明らかにしている。
Armベースのプロセッサーである「Ampere Altra」を搭載したAzureのVMは、まず10のリージョンと複数の可用性ゾーンで提供される。最初に提供されるのは米国(米国西部2、米国中西部、米国中部、米国東部、米国東部2)、ヨーロッパ(西ヨーロッパ、北ヨーロッパ)、アジア(東アジア、東南アジア)、オーストラリア(オーストラリア東部)で、9月1日以降に順次対応リージョンが追加されるという。ArmベースのVMは、「Azure Kubernetes Service(AKS)」を使って管理するKubernetesクラスターで扱うことができる。
Microsoftによれば、「数百社」の顧客がAltra製プロセッサーを使用したVMをテストしているという。それらの顧客は、ウェブサーバーやアプリケーションサーバー、オープンソースデータベース、マイクロサービス、Javaや.NETアプリ、ゲーム、メディアサーバーなどにArmベースのVMを使用している。
新たに提供されるArmベースのVMには、次のものがある。
- 「Dpsv5」シリーズ、最大64基のvCPU、vCPUあたり4GiBのメモリーを使用可能
- 「Dplsv5」シリーズ、最大64基のvCPU、vCPUあたり2GiBのメモリーを使用可能
- 「Epsv5」シリーズ、最大32基のvCPU、vCPUあたり8GiBのメモリーを使用可能
ArmベースのAzure VMは、Arm上で「Windows 11 Pro/Enterprise」を動作させることを想定している。また、Canonicalの「Ubuntu」、「Red Hat Enterprise Linux」、「SUSE Enterprise Linux」、「CentOS」、「Debian」など、さまざまなLinuxディストリビューションに対応している。将来的には、「Alma Linux」と「Rocky Linux」もサポートされる予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。