CIQは比較的新しい企業である。ただし、同社の経営陣は、オープンソースソフトウェアや「Linux」と深いつながりがある。米国時間8月31日に発表された新しい経営陣には、CIQの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務め、人気の高い「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)クローン「CentOS」の生みの親でもあるGregory M. Kurtzer氏に加えて、Linuxcare(Linuxのサポートを最初に提供した企業)の創設者2人も含まれる。
提供:Getty Images/iStockphoto
今日、Linuxやオープンソースソフトウェアのビジネスモデルとして最初に思い浮かぶのは、有料のビジネスサポートの提供だ。しかし、以前はそうではなかった。Linuxの初期の頃、CalderaやRed Hat、SUSEといった企業は、Linuxを一般ユーザーにパッケージ販売することで、利益を得られると考えていた。
Red Hatはその過ちに気づいて、2003年に「Red Hat Linux」の開発を終了し、代わりに商用のRHELをリリースした。しかし、それよりも前の1998年の時点で、LinuxcareはすでにLinuxサポートを提供する最初の企業として台頭していた。しかし不幸なことに、ビジネス上の問題とドットコムバブルの崩壊が原因で、Linuxcareは競争に敗れた。先発企業が敗れ、後発企業が勝利を収める、という展開だった。
しかし、それは遠い昔の話だ。2022年8月31日、Linuxcareの創設者であるArt Tyde氏とDavid LaDuke氏がそれぞれCIQの事業開発担当バイスプレジデント、マーケティング担当バイスプレジデントに就任することが発表された。ほかにも、CIQ共同創設者のRobert Adolph氏が最高製品責任者(CPO)、Rob Dufalo氏がエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、John Frey氏が最高技術責任者(CTO)、Stephen Moody氏がサポートおよびテクノロジー担当シニアバイスプレジデント、Marlin Prager氏が最高財務責任者(CFO)、Brock Taylor氏がハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)および戦略的パートナー担当バイスプレジデントに就任するなど、テクノロジー業界の著名なベテランリーダーたちがCIQの経営陣に加わった。
CIQおよびRocky Linuxの創設者Gregory M. Kurtzer氏
提供:Rocky Linux
多くのテクノロジー企業は、若者だけが違いを生み出せる、という思い違いをしている。実際に、40歳以上の人はテクノロジー業界では年を取り過ぎている、と多くの人が考えている。
CIQとRocky Enterprise Software Foundationの無料CentOS Linuxクローン「Rocky Linux」は、非常に大きな成功を収めている。このLinuxディストリビューションイメージの月間ダウンロード件数は、最大75万件に達している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。