Sansanは「インボイス制度に関する実態調査」を実施し、結果を発表した。これによるとインボイス制度の認知・理解は進んでおり、「詳しく知っている」「概要を知っている」と回答した人は約7割に上った。一方、実際のインボイス制度への対応に関しては6割以上が不安を感じていると分かった。
同調査は8月21~24日、請求書関連業務に携わる1000人の経理担当者を対象に、オンラインでのアンケート形式で実施された。請求書関連業務とは、請求書の受け取り、振り分け、内容確認、支払い申請、支払い承認、経理部門への請求書提出、請求書の仕訳入力、支払いの実施、請求書の保管などを指す。
インボイス制度の認知・理解については、「まったく知らない」と回答した人は約1割にとどまった。従業員の規模別に見ると、「まったく知らない」と回答した人は、100人以下の企業が10.3%と最も多かった。「詳しく知っている」と回答した人は、1000人以上の企業では約3割(27.1%)と、従業員規模が大きな会社ほど理解が進んでいる傾向があることが分かった(図1)。
図1:インボイス制度に対する理解度
対応への不安については、「とても不安を感じる」(21.6%)と「やや不安を感じる」(43.3%)の合計が6割以上(64.9%)に上った。不安に感じる理由としては、「従来の請求書業務より工数が増える」(53.6%)が最も多く、次いで「インボイス制度と電子帳簿保存法を併せて検討しないといけない」(50.2%)が挙がった(図2)。
図2:インボイス制度への対応に関する不安
そのほかの結果では、インボイス制度を知っていると回答した経理担当者924人に対し、「適格請求書発行事業者ではないことを理由に取引を中止することは、下請法違反に当たる可能性があると知っているか」と聞いたところ、「知っている」が半数(48.8%)を占めた。
同じく適格請求書発行事業者への登録状況を聞くと、「登録申請済み」(43.4%)が最も多く、「登録申請を検討中」は29.2%、「登録申請はしない」は8.9%だった。
取引先が適格請求書発行事業者かどうかを事前に確認するかについて、「すでに確認している」と答えたのは約2割(16.1%)で、「現時点では確認していないが、確認する予定がある」という回答は半数以上(50.6%)だった。