クララオンラインとパクテラ・テクノロジー・ジャパン(パクテラ)は、中小規模の小売・製造業を対象としたクラウド型の統合基幹業務システム(ERP)の提供に関する業務提携を開始した。両社が9月21日に発表した。
小売・製造業を中心に、ERPシステム「Odoo」の導入を支援するパクテラは、Odooによるホスティング機能を含むSaaS型のサービスと、IaaSを基盤として構築するプライベート型のサービスを展開している。中でも、Odooの基盤となるITインフラへの要件は、顧客独自の監視項目や特殊な対応フローに加え、24時間体制での対応が求められる場面があり、パクテラでは強固で柔軟なITインフラ運用体制を構築し、強化する必要があったという。
そこでパクテラは、中小企業の情報システム部門のサポートに強みを持つクララオンラインと業務提携することで、パクテラが提供するOdooの基盤であるAmazon Web Services(AWS)や「Azure」などのIaaS構築・運用を提供する。クララオンラインは、24時間体制で有人監視と障害対応を行い、多岐に渡る要望に柔軟に対応できるナレッジ(知識)を持つため、Odooを導入する顧客に対して最適化された運用サービスの提供が可能になるとしている。
業務提携による提供ソリューション
Odooは、顧客管理システム(CRM)や電子商取引(EC)、会計、在庫、POS、プロジェクト管理など、会社経営のさまざまなニーズをカバーする機能を搭載している。クララオンラインは、小売・製造業がERPシステムの導入を進めることで、在庫・販売管理などの煩雑な業務を効率化でき、オンラインによる自社専用のEC販路開拓など、新たな収益チャネルの創出につながると説明。一方で、システム導入には、IT人材の不足や高額な初期導入費用、導入・運用に関するナレッジ不足など、さまざまな課題があると指摘した。
今回の業務提携では、このような課題を踏まえ、両社がOdooと、その基盤になるクラウドの導入・運用の支援を行う。OdooのオフィシャルパートナーであるパクテラはOdooの導入・開発・運用を担い、自社のリソースを大幅に割くことなくERPの導入を実現し、クララオンラインがERPシステムの基盤となるクラウドの監視運用を行う。これにより、運用・障害対応に備えた社内IT人材の確保や配置が不要になり、自社の事業に注力できる環境を顧客に提供するという。