日産自動車は、補修部品システムの入出庫を管理するシステムに「IBM Cloud」のIaaS「Power Virtual Server」を採用した。システム構築はキンドリルが支援し、8月に運用を開始している。日本IBMとキンドリルジャパンが11月28日に発表した。
同システムでは長年、日本IBMの「IBM Power Systems」が活用され、システムの安定性と信頼性を維持してきた。日産ではITインフラのクラウドへの移行を進めており、同システム環境の更新に当たっても、クラウドへの移行を検討していた。
日本IBMと日産は、これまでに蓄積された既存のプラットフォーム資産やOracle製品などのソフトウェアポートフォリオを変更することなく、UNIX OS「AIX」とミドルウェアのバージョンを最新にし、クラウド化が可能なPower Virtual Serverへの移行を検討した。評価と検証はキンドリルと実施した。
キンドリルは、長年にわたるクラウドの構築・移行の実績と、IBM CloudおよびPower Virtual Serverの製品知見を生かし、日産や複数の関連ベンダーと協業しながら構築を支援した。2021年9月に移行作業を開始し、2022年8月にはPower Virtual Serverを用いた新システムでの運用を開始している。
新システムとしてIBM CloudとPower Virtual Serverを利用することにより、ホストシステムや周辺システムとの接続性を維持し、従来の業務プロセスを変更することなく、アプリケーションの更新をより柔軟かつ迅速に対応できるようになったとしている。