沖電気工業(OKI)は3月15日、2023年の春季労使交渉(春闘)における労働組合の要求への回答を発表した。
賃金水準の改善については、要求額の7000円に対して満額の7000円で回答した。また、継続的に行動や成果を発揮した従業員の働きに応えるため、個人成績に応じた額を一部適用する。
初任給に関しては、若手社員の早期立ち上げや活躍への期待に加え、採用競争力の強化に向けて、修士課程修了・大学卒の初任給は「現行比5000円以上」の要求額を上回る2万5000円増で回答した。これにより、初任給は修士課程修了が27万4000円、大学卒が25万円となる。
OKIは多様な働き方の整備を進めており、利用日数に制限を設けないテレワーク制度、何らかの事情で通勤圏外に居住せざるを得ない従業員に対し、テレワークが基本の勤務形態を許可する「通勤圏外勤務制度」、コアタイムを設けない「スーパーフレックス制度」など、働く場所や時間の柔軟性を高め、全ての従業員が能力を最大限に発揮できる職場づくりに取り組んでいる。
同社は、従業員のライフスタイルや価値観の変化に伴う要望が顕在化してきたことを踏まえ、それぞれの事情に合った働き方をより柔軟に選択できるよう、一部の転勤者を中心に運用してきた新幹線通勤制度を一定の自己負担のもと誰でも利用できるようにする。
OKIは人材について「グループが社会環境の変化に対応し、持続的に発展する上で、最も重要な経営資源の一つ。今後も多様な従業員が能力を最大限に発揮できる環境の整備を進め、次期中期経営計画の方向性として掲げた『成長へのかじ切り』『環境変化への対応力』を実現し、持続的成長を確実なものとする」と説明している。