シトリックスCEO:「事業はクラウドのインフラ部分にとどめる」

冨田秀継(編集部)

2010-05-24 18:25

 各種製品を「Xen」ブランドで束ねるCitrix Systemsは、一般的に仮想化ベンダーだと考えられている。しかし、実際はアプリケーション配信の効率化に競争力を持っており、そのコアコンピタンスの維持、成長の一環として仮想化技術を獲得したという事業背景を持つ。

 それも今や変わりつつあるようだ。Citrix Systemsの2010年第1四半期決算によれば、「XenApp」や「XenDesktop」を含むデスクトップソリューション部門が全売上の63.7%を占め、「NetScaler」擁するデータセンター&クラウドソリューション部門の14.7%を圧倒している。(しかし、それでも同部門の売上は前年同期比で23%増だ)

 同社はこの決算を発表した直後に、サンフランシスコでCitrix Synergy 2010を開催した。会期中、同社社長兼CEOのMark Templeton氏をインタビューする機会を得たため、アプリケーションデリバリーとしてのクラウドコンピューティング、競合企業の取り組みに対してコメントを求めた。

Mark Templeton氏 Mark Templeton氏

VMforce?良いアイディアだと思うよ

ZDNet Japan: ユーザーにより効率良くアプリケーションを届ける仕組みとして、クラウドコンピューティングに注目が集まっている。VMwareとSalesforce.comが提携し、VMforceという取り組みを始めたが、こうした動きをどのように受け止めているか?

Templeton氏: 良いアイディアだと思う。VMforceは、特にSalesforce.comにとって良い取り組みとなるだろう。Javaの開発ツールを、彼らのPaaSで使えるようにしているからだ。多くの開発者にとって有用なものになると見ている。

ZDNet Japan: 同様の取り組みを検討したことは?

Templeton氏: 無い。Citrixの事業はクラウドのインフラ部分にとどめる。VMwareはスタックの下の部分であるインフラから、アプリケーション開発へと上部に進んでいるが、Citrixは事業の運営上、インフラにとどまるのが最善と考えている。

 CitrixもVMwareも仮想化技術を持っているが、性格は大きく異なる。VMwareはスタックの上に進むしかない状況だが、(選択肢が増えることから)顧客にとっては良いことだろう。我々はCitrixに利益が出るように戦略を立てているし、VMwareもそうだ。

ZDNet Japan: なぜインフラにとどまった方が良いと考えているのか?

Templeton氏: 我々の技術をアプリケーション開発企業やサービスプロバイダーに売りたいからだ。アプリケーション分野で、そうした企業と競合するのを避けたい。また、サービスプロバイダーはインフラに注力している企業の技術をほしがるだろう。なぜなら、安定した基盤の上に価値を構築したいからだ。

シトリックスのもうひとつの事業――オンラインサービス

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    レガシーデータ基盤からの脱却が AI 活用の鍵--先進企業に学ぶクラウド移行の成功事例

  2. ビジネスアプリケーション

    AI 人材育成を単なる研修で終わらせない--事業を動かす AI スキル構築の 5 つのステップ

  3. ビジネスアプリケーション

    汎用 AI をビジネス仕様に。業務データを活かす AI アプリ開発の新しい前提「データ基盤」

  4. 仮想化

    コンテナ化だけで十分なのか。商用パッケージ運用の負荷を左右するOpenShiftの価値

  5. 経営

    月15万円から始めるSOC。セキュリティ人材を雇えない企業の、取引を止めない経営判断

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]