シトリックス・システムズ・ジャパンは2月24日、2010年の戦略説明会を開催し、同社 代表取締役社長のMichael King氏が「2010年のシトリックスのスローガンは“デスクトップイノベーション”だ」と述べた。
このスローガンを基にシトリックスでは「デスクトップ仮想化をメインストリームテクノロジとして推進すること、エンタープライズビジネスを拡大すること、アライアンスパートナーシップ活動を強化することにフォーカスする」(King氏)とし、それぞれの分野について説明した。
デスクトップ仮想化に注力
まずは、デスクトップ仮想化をメインストリームテクノロジとして推進するにあたっては、「まず日本におけるブランド認知度を高める。また、セールスとサービスを強化し、大型でより戦略的なビジネスをけん引する。パートナーとのデスクトップ仮想化ビジネスも強化するほか、システムインテグレーターともより深く、幅広いパートナーシップを構築する。さらに、ネットワーク製品との統合ソリューションを推進し、クラウドビジネスを活性化する」King氏は述べた。
King氏は、「XenAppは日本でもすでに幅広く浸透している。これはリモートアクセスを可能にするテクノロジに過ぎないが、デスクトップはみんなが利用するものだ。XenAppが普及している日本において、今後デスクトップ仮想化ビジネスは大きく伸びるだろう」とした。
エンタープライズビジネスは木村氏が担当
エンタープライズビジネスの拡大にあたっては、営業およびサービス部門の統括として1月4日付けで同社の副社長に迎え入れられた木村裕之氏が中心となって施策を進める。具体的には、「エンタープライズ営業を強化するとともに、アップセルやクロスセルを展開する。また、DaaS(Desktop as a Service)とクラウドビジネスを推進し、サービス基盤を強化する」と木村氏。
木村氏によると、エンタープライズ営業は2009年まで25社のパートナー企業にフォーカスしていたとのことだが、「2010年は200社のパートナーに対して営業担当者を置き、業界別にわけてフォーカスしていきたい」としている。SIパートナーとのビジネスも強化し、技術情報の共有やパートナーの技術力強化にも協力するという。この一環としてシトリックスでは、2月22日にNTTデータとの協業を発表している。
アップセルやクロスセルを展開するにあたっては、まずXenAppからXenDesktopへのトレードアッププログラムを提供する。これは、すべてのXenAppライセンスを一度にトレードアップすると、2倍の数のXenDesktop 4のライセンスを提供するもので、「新規購入と比べ最大80%のコスト削減につながる」(木村氏)という。また、サーバの仮想化からデスクトップの仮想化、さらにはネットワークの仮想化までを含めたエンドツーエンドの仮想化ソリューションを提供するなど、クロスセルも展開するとしている。