東京大学の情報基盤センターはスーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」を中心にしたスパコンシステムを2012年4月から稼働させる。富士通が11月14日に発表した。
情報基盤センターは1965年に全国共同利用施設の大型計算機センターとして発足(1999年以降に現在の名称に)。スパコンによる先端的な科学技術研究を推進しており、1500人以上の研究者が学内外で利用している。同センターでは今回、多様なユーザーと大規模アプリケーションの対応を目的に、高い計算能力と高いデータ入出力の性能、データ処理機能を稼働させるシステムとして、PRIMEHPC FX10の採用を決定している。
新スパコンシステムではPRIMEHPC FX10が4800の計算ノードが中心となる。ラック数は50、理論演算性能は1.13PFLOPS、総主記憶容量は150Tバイト、インターコネクトは6次元メッシュトーラスTofuインターコネクトとなっている。
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新システムには、ログインノード群としてIAサーバ「PRIMERGY RX300 S6」が8台、ジョブ管理や運用管理、認証サーバなどを管理するサーバ群としてIAサーバ「PRIMERGY RX200 S6」が16台採用されている。
ローカルファイルシステムでは、メタデータを管理するためのサーバとしてPRIMERGY RX300 S6が2台、データファイルを制御するためにストレージ「ETERNUS DX80 S2」が150台で、利用可能容量は1.1Pバイト。
共有ファイルシステムでは、メタデータ管理サーバとしてPRIMERGY RX300 S6が8台、ファイルデータ管理サーバとしてPRIMERGY RX300 S6が40台、メタデータファイル制御サーバとしてETERNUS DX80 S2が4台、データファイル制御サーバとして「ETERNUS DX410 S2」が80台となっており、利用可能容量は2.1Pバイトとなっている。
同社独自のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)ミドルウェア「Technical Computing Suite」と、そのコンポーネントである分散ファイルシステム「FEFS」も導入される。Technical Computing Suiteは、システム管理やジョブ運用管理機能、コンパイラ、ライブラリなどで構成され、超並列アプリケーションでの高い実効性能を実現できるとしている。FEFS(Fujitsu Exabyte File System)は10万ノード規模で共有できるという。