関連書籍やML参加者の増加でも分かるように、MySQLに対する注目度が以前に比べて高まってきていることは間違いない。その注目度は、同じくOSSのDBの雄であるPostgreSQLを抜いている。
「3〜4年前ぐらいから、注目度は逆転していると思っています。というのは、Googleでのヒット件数では、PostgreSQLよりもMySQLの方が圧倒的に多い。日本だと2倍の開き、世界全体では10倍の開きとなっています」(同氏)
注目度が高まるとともに、MySQLの普及の度合いも高まっている。そんな中で、MyNAのMLの中身は変容してきている。現在では、交わされる質問や意見の内容が、中級者を対象としたものになっているのである。
「5年前だと、たとえば『コンパイルできません』といった質問が多かった。だが、現在ではMySQLはビルドされていて、すでに立ち上がった状態になったうえで、『こういうシステムを作りたいんですが、どういうテーブル構成がふさわしいですか』といった具合の質問がほとんどですね」(同氏)
そうした質問に対しても、MyNAの場合未解決のまま、放置されることは少ないという。この種のMLでは珍しいことだろう。また、システム開発関連のMLでは、議論がヒートアップしてか、もめ事や罵り合いといったトラブルにつながることはそう珍しいことではないが、MyNAでは、そうしたトラブルもほとんど起こらず、「この9年間で3件程度」(同氏)だという。
「悪い言葉で言えば『議論が活性化していない』とも言えるかもしれないが、よく言えば『私たちのML参加者はとても紳士的』と言える。私にとって今のMyNA MLの状態は、ある意味理想的だと思っています」(同氏)
そうしたMyNAの活動は、MySQLの普及拡大について表舞台に立って主導的に進めるというよりも「裏方としての役割になっている」(同氏)。MySQLの普及拡大で「主導的な役割を果たすのは、MySQL ABの日本法人であるMySQL株式会社」(同氏)だからだ。MyNAは“裏方”として、意見交換や議論の場であるMLを展開して、その蓄積としてMLのアーカイブをウェブで公開しているのである。
「MyNA MLの状態はある意味理想的」と語る堤井泰志氏
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