日本オラクルは、「Oracle Database 11g Enterprise Edition」の活用促進キャンペーンを、2月1日よりパートナーと共同で開始すると発表した。
Oracle Database 11g Enterprise Editionとオプション製品とをパッケージ化し、日本国内を対象に新たな価格体系で提供する「オラクル クルクルキャンペーン」のほか、パートナー、エンジニアなどを対象とした技術セミナー「Oracle Technology Day」を全国15カ所、3万人を対象に実施する。
日本オラクル、常務執行役員システム事業統括本部長の三澤智光氏は「コストばかりを優先することで、リスクが増大している企業が増えている。これをコストとリスクのバランスをとった構造へと転換することが必要である。だが、Oracle Database 11g Enterprise Editionが優れている点は理解できていたとしても、コストの観点から導入できないという声がある。より求めやすい価格でOracle Database 11g Enterprise Editionを活用していただき、コストとリスクのバランスが取れる形にした」と、キャンペーンの狙いを語る。
また、パートナーやエンジニア向けのセミナーについては、「Oracle Database 11g Enterprise Editionの最新テクノロジを活用することで、課題となっている多くのトラブルや課題を自動的に解決できることを知っていただきたい。Oracle 7、同8、同9を引きずっているためにパフォーマンスが出ずに、メモリをチューニングしたり、インデックスを張り替えるなど、さらにシステムを複雑化するといった例も日常茶飯事のように起こっている。我々の告知不足もあるが、今一度、Oracle Databaseの最新技術を知っていただくことに力を注ぎたい」(三澤氏)とした。
オラクル クルクルキャンペーンでは、「オラクル、安くクル、5年クル」をキャッチフレーズに、4つのパッケージを用意する。いずれも、5年間の使用が認められる期間限定ライセンス(5 Year Term Licence)が設定される。
「Term Licenceは、グローバルでは展開していたもので、日本でも一部ユーザーに提供してきた経緯がある。だが、パートナーの事務手続きの煩雑さなどから広くは展開してこなかった。今回は、CPU性能が大幅に高まるサイクルや、5年サイクルでハードウェアの買い換え、ハードおよびソフトのリース期間という日本特有の状況にあわせて5年という期間で設定した」(三澤氏)
キャンペーンパッケージのひとつである「クルクルEE-4」では、Oracle Database 11g Enterprise Editionと「Oracle Partitioning」「Oracle Tuning Pack」「Oracle Diagnostics Pack」の4プロセッサ環境を、5年間のライセンス利用権で提供。通常価格では3000万円であるものを、67%引きとなる980万円(税別、以下同)とする。これにあわせて、初年度のサポート料金も、本来660万円であるものを308万円で提供するという。
そのほか、Oracle Database 11gと、Oracle Partitioning、Oracle Tuning Pack、Oracle Diagnostics Packの3プロセッサ環境を、5年間ライセンス利用権で提供する「クルクルEE-3」が735万円。EE-4に「Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)」を加え、8プロセッサで利用できる「クルクルRAC-8」が2590万円。同製品を6プロセッサ環境で利用できる「クルクルRAC-6」が、1942万5000円となっている。
三澤氏は「クルクルRAC-8の2590万円は、従来価格である8000万円から67%引き。Oracle RACの普及促進にもなるだろう」とした。
今回のキャンペーンでターゲットとしているのは、大企業から中堅企業までのユーザー、大規模企業で運用されている中規模システム、それらをサプライするSIerとしている。
同キャンペーンには、NEC、富士通、日立製作所など15社が協賛パートナーとして賛同。数100社の販売パートナーを通じて、5月31日までの期間限定で提供する。なお、キャンペーン終了後の展開については、「継続するかどうかは検討している。また、5年間のライセンス期間終了後のアップグレードについても検討していきたい」とした。
クルクルEE-4では、5月末までに200〜300セット、RAC関連製品では20〜30セットの販売を予定しているという。