NTTデータとマイクロソフトは3月23日、データウェアハウス(DWH)およびビジネスインテリジェンス(BI)分野での協業を強化すると発表した。
NTTデータとマイクロソフトは、以前よりマイクロソフト製品を使用したシステムコンサルティングサービスおよび実装サービスを提供してきた。今回協業を強化するにあたって両社は、マイクロソフトの「Microsoft SQL Server 2008」をベースとしたDWHアプライアンス製品「SQL Server Fast Track Data Warehouse」(Fast Track)の販売と、Fast Trackの導入を検討している顧客に向けた「SQL Server/Fast Track技術検証ファクトリー」サービスの開始、さらにはFast TrackをベースとしたDWHおよびBIソリューションの提供を予定している。
Fast Trackは、DWH用途に特化した事前検証済みのハードウェア構成に加え、新たなデータウェアハウスの利用形態である「シーケンシャルリード」に最適なデータベースの構築およびメンテナンスなどのベストプラクティスを包括的に提供するデータウェアハウスソリューションだ。NTTデータは、ハードウェアベンダー各社の協力のもと、SQL Server/Fast Track技術検証ファクトリーにすべてのモデルのFast Trackを常設し、ハードウェアベンダーと連携した上でFast Trackの販売を行う。
SQL Server/Fast Track技術検証ファクトリーは、NTTデータの「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」(DWH/BIラボ)が提供する。DWH/BIラボは、DWH構築やBIツールの導入を検討しているユーザーに、機能および性能検証や実データを用いたデモを行うことで、システム構築前後のギャップを解消し、最適なBIシステムの導入を支援するためのもの。今回DWH/BIラボのサービスの一部として、Fast Trackのデモや性能などの検証を行う。
一方のマイクロソフトは、SQL Server/Fast Track技術検証ファクトリーへのコンサルタント駐在により、Fast TrackのエンジンであるSQL Serverに関する技術支援を行うとともに、共同プロモーションの展開に向け体制を強化する。
また、今後提供予定のDWHおよびBIソリューションでは、顧客がより迅速にBIシステムを導入できるよう、SQL ServerやFast Trackに特化した流通、製造、テレコム、金融、公共など各業種向けのテンプレートを提供する。テンプレートは現在両社が共同で開発を進めており、2010年前半の提供開始を目指している。
NTTデータとマイクロソフトは、今回の協業を通じ、今後1年間で20件のサービスを提供するとともに、Fast Trackを活用したBIシステムの構築および販売により、今後5年間で100億円の売り上げを目指すとしている。