NTTデータとマイクロソフトは11月10日、CRMソリューション分野での協業に合意したと発表した。この協業により両社は、マイクロソフトの統合CRMアプリケーション「Microsoft Dynamics CRM 4.0」をベースに、NTTデータの業務ノウハウを組み込み、CRMソリューション「ABCRM」として2010年2月に提供を開始する。
ABCRMは、マイクロソフトのDynamics CRMと、NTTデータの大規模コンタクトセンター構築の経験を融合したCRMソリューション。ABCRMの開発と提供にあたり、NTTデータはDynamics CRMをベースに各種テンプレートおよび関連ソリューションとの連携を強化し、マイクロソフトはDynamics CRMおよび同アプリケーションと連携するサーバ関連製品を含めた包括的な技術支援を行う。
同ソリューションはMicrosoft Office製品と高い親和性があり、トレーニングなしですぐに使い始められるインターフェースが特徴だ。画面の項目やレイアウトも簡単な操作で変更でき、ワークフローで業務プロセスが自動化できるほか、ExcelやSQL Serverを活用して業務の見える化もサポートする。また、OutlookやExchange Server、SharePoint Serverとの融合も可能で、Active Directoryによるシングルサインオンも実現している。業務テンプレートをベースとした画面作成などのカスタマイズはユーザー自身で対応できるため、開発ベンダーに対する開発費も削減できる。
ABCRMは初期購入時以外のライセンス保守費用が不要で、価格はABCRM User CALおよびDevice CALが13万円、ABCRM Enterprise Serverが65万円。30席のコンタクトセンターを構築する場合、PBX、IVR、全通話録音、APサーバ、DBサーバ、ADサーバ、設計設定込みの参考価格は2300万円となっている。
ABCRMは2010年2月より提供を開始する。すでに大手金融機関向け中規模コンタクトセンター(約50席)への導入が予定されており、同センターは2010年5月に稼働が開始されるという。