サン・マイクロシステムズは11月7日、同社がオープンソースとして提供したJavaの統合開発環境(IDE)「NetBeans」に関するイベントとして、「NetBeans Software Day」を都内にて開催した。同イベントは今後世界各国で開催が予定されているが、東京での開催は世界で2番目となる。
基調講演に立ったのは、米Sun MicrosystemsでJava EEの責任者を務めるJeff Jackson氏。同氏はNetBeansについて、「開発者が望んでいたのは、開発における生産性の向上、複雑さの改善、互換性、低コストだ」と述べ、NetBeansがこうした要求をすべて満たすものだとした。
NetBeansの特徴について説明するJackson氏 |
Jackson氏はまた、「NetBeansの特長は、SunのJava Studio CreatorやJava Studio Enterpriseのベースともなった、モジュラー形式で拡張可能なプラットフォームであることだ。Java VMをサポートしていればどのOS環境でも利用可能で、リッチクライアントアプリケーションを構築するには最適のツールだ。2000年よりオープンソース化され、コミュニティにサポートされている」と説明した。
同氏はまた、NetBeansがIDEとして初めてJava 5.0をサポートしたこと、プラグインなども必要なく、すぐに利用可能であること、J2EEをサポートし、呼び出しやアセンブル、展開、デバッグなどもJ2EEにて可能なこと、プロファイラにてパフォーマンスの分析やメモリのリークの発見が可能となることなどをアピールした。
2006年第1四半期には、最新版のNetBeans 5.0がリリースされる予定だ。5.0では、エディタが拡張され、これまでのエラー表示以外にも修正候補を示すようになる。また、CVSのサポート強化で、標準的なコマンドにアクセスしやすくなる。さらに、ユーザーインターフェースの改善やJ2EEの拡張などが実装される。
同イベントでは、Javaの生みの親といわれるSun Microsystemsのバイスプレジデント、James Gosling氏のサイン入りTシャツが5枚用意され、Jackson氏がパチンコ投げで参加者にTシャツをプレゼントする場面もあった。Jackson氏は、今回のイベントを「(8日より開催される)JavaOne Tokyoの前夜祭だ」として、場を盛り上げた。