12月14日、World Wide Web Consortium(W3C)が「Synchronized Multimedia Integration Language(SMIL 2.1)」を W3C勧告として公開した。W3Cは、SMIL 2.1でW3C技術に基づく携帯機器向けマルチメディアコンテンツの実現を目指す。
SMILは、インタラクティブなマルチメディアコンテンツの制作編集を容易にするXMLアプリケーション。SMIL 2.1では、Modularization of XHTML W3C勧告において採用されているモジュール化手法を採用し、組み合わせ可能なモジュール群として再設計されている。
SMIL 2.1 勧告では、多様なアプリケーションにおいて広範に利用できるよう、SMIL 2.1 Language Profile、SMIL 2.1 Mobile Profile、SMIL 2.1 Extended Mobile Profile の3種類のプロファイルを複数のモジュールの組み合わせとして新たに定義された。Extended Mobile Profileは、広範な携帯機器特性に適うよう設計されており、レイアウト機能および同期機能の強化と、アニメーション機能が追加されている。
また、フルスクリーン表示でのトランジション、背景イメージをタイル状に配置するといった視覚的なレイアウト機能の強化、フェードイン/フェードアウトを含む音声レイアウト機能の強化など、マルチメディアコンテンツ制作編集者が利用できるツールも拡充されている。
なお、SMIL 2.1は、利用者団体とW3C同期マルチメディア(SYMM)ワーキンググループとの協調作業で誕生した。SYMMワーキンググループは、携帯機器向けにSMIL 2.0を導入した3GPPにおけるノウハウを踏襲し、SMIL 2.1 Mobile Profileを標準化。また、SMIL 2.1 Extended Mobile Profileを、3GPP2の「SMIL Language Profile, revision A」の全モジュールにSMIL 2.1のいくつかのモジュールを加えたものとして定義した。
W3Cでは、技術の相互運用性を確保するために、単一プロファイル化に向けた3GPP2との協議を今後も継続することを期待している。