NECは9月3日、農業協同組合(JA)の組合員などが利用するポイントを管理する「JAポイントシステム」を構築したことを発表した。最終的には40県170JA、500万人が利用するシステムになるとしている。
JAポイントシステムは、JAの信用事業(銀行業務)、共済事業(保険業務)、経済事業(販売・購買業務)などのさまざまな業務で利用に応じたポイントを、事業の枠を超えて統一的に付与・還元するシステムであり、組合員のほか准組合員、員外利用者が利用する。会員情報、ポイント情報、カード発行などを横断的に一元管理する。
今回構築されたJAシステムは、全国農業協同組合中央(JA全中)が構築し、NECのデータセンターで運用管理を行っている。JA各店舗は、ネットワーク経由で、各県のシステムセンターを介して、ポイントシステムの各機能を“サービス”として利用する。NECでは、今回のケースについて、「クラウドコンピューティング時代における業種業態を超えた先進的なポイントシステム」と説明している。
これまで事業ごとにあった顧客データベース(DB)はJA単位で名寄せされ、ポイントシステム用に統合DBを構築。この統合DBを中核に、カード発行登録、会員管理・照会、ポイント照会・還元、各種帳票などが行われる。
今回のシステムは4月から石川県や福岡県のJAで利用が開始され、2010年3月末までに6県7JAの利用が予定されているという。以降、順次利用が拡大して、3年後には40県170JA、500万人規模の利用を目指すとしている。
また、今回のポイントシステムは、既存の販売時点情報管理(Point Of Sale:POS)システムからの連携ができる。今後は、外部ポイントとの交換、利用者自らがウェブサイトでポイントを照会するなどの拡張を検討している。
通常こうしたポイントシステムの構築には初期費用として数千万円以上かかるとしているが、今回のケースでは、各JAが個別に構築する必要がない。そのため、初期投資や運用コストを抑え、低料金・定額でポイントサービスを実施できるとしている。NECによれば、最短4カ月でのサービス開始が可能と説明している。