富士通は12月9日、同社の提供する「TRIOLEブレードソリューション」について説明会を開催した。同社では、システム障害の要因に人的エラーが多いことから、「サーバを集約し、運用を一元化することで管理ミスや運用コストを削減できる」としており、サーバ集約のためには、故障しやすい稼働部品を共通化でき、サーバの抜き差しが容易で拡張性の高いブレードシステムを推奨している。
TRIOLEブレードソリューションは、現状のインフラ資産の実態や課題を分析し、統合案やコスト削減効果の概算を提示する「インフラ最適化アセスメント」から始まり、ブレードシステム専用の検証センターにてコンサルテーションを実施、選択肢を提案した上で検証までを行う「検証支援」、これまでの実績に基づいたベストプラクティスをテンプレート化し、最適なシステムの提供に結びつける「インテグレーションサービス」、ハードウェアの修理や定期点検、障害予兆アラーム通報サービスなどを提供する「保守サポート」で構成されている。
同社TRIOLE統括部プロジェクト部長の有山隆史氏によると、インテグレーションサービスにおいては、今後富士通でシステム環境を用意し、セット商品をBTO(受注生産方式)にて出荷する「TRIOLEデリバリサービス」を開始する予定だとしている。
ブレードにおいては、日本IBMが低価格なブレードサーバ群を提供するなど、各サーバベンダーがさまざまな戦略にて提供しているが、他社との差別化ポイントについて富士通サーバシステム事業本部IAシステム事業部プロジェクト部の武居正善氏は、「ミドルウェアを含めたシステム全体として提供できることや、導入における各フェーズごとに最適なサービスを提供できることが強みだ」と説明、価格をアピールしたところで売上につながるものではないと語る。ただし、限定商品や価格はある程度効果的なアピールにつながるとして、「時期を見て販売促進キャンペーンなども実施したい」としている。
価格で勝負するIBMに対し、日本ヒューレット・パッカードではブレードサーバにXeon、Opteron、Itaniumなど多彩なプロセッサを搭載した製品でラインアップの豊富さをアピールしている。富士通では、欧州にてFujitsu Siemens ComputersがOpteronベースのブレードサーバを提供しているにも関わらず、日本ではXeonベースの製品が中心だ。この点について武居氏は、「全方位に手を伸ばす方法もあるが、投資対効果と開発リソースを考えた上でXeonにフォーカスしている。現段階で(Xeon以外の)市場性はそれほど高くないだろう」と述べた。