2004年に自社のPC事業をLenovoに売却したIBMだが、同社は米国時間19日にPC市場に対する関心を失っていないことを示す製品を発表した。
ただし、この製品は単純なPCではない。IBMのブレードサーバ「BladeCenter」をベースにしたこの製品は、1台のコンピュータ上で複数のOSを稼働できるVMwareの「ESX Server」ソフトウェアと、サーバ上で動作するプログラムを利用するためのCitrix Systemsのソフトウェアが組み合わされている。
IBMは、「IBM Virtualized Hosted Client Infrastructure」というこの製品が、コスト削減と管理の容易化を求める企業にとって非常に魅力的なアプローチになると考えている。
IBMのBladeCenterには、最大で14台のデュアルプロセッサ搭載サーバを高さ12.25インチのシャーシに収めることができる。また、IBMのDoug Balog(BladeCenter製品担当バイスプレジデント)によれば、12〜15台の独立したPC環境を各々のブレード上で同時に動作させることが可能だという。
「単一のBladeCenterシャーシ内で200を超えるクライアントPC環境を動作させることが可能になる」(Balog)
PC環境を事務所内やデスク上からデータセンターに移し、管理者が容易にソフトウェアのアップデートを行えるようにする試みは、これまでにも存在した。ClearCubeは2002年にすでにブレードベースのPCホスティング事業をスタートさせており、IBMと販売契約さえ結んでいた(この契約は現在Lenovoへと移管されている)。Hewlett-Packard(HP)もまた、「Consolidated Client Infrastructure」というブレードデスクトップ製品を扱っている。
だが、VMwareを利用すれば、多くのPC環境を個々のサーバに詰め込むことが可能になる。「デスクトップPCを廃止し、代わりにデータセンターを利用する有力な製品も存在するが、それらもいまだに一対一の関係でしかなく、コスト面の効果があるとは思えない」(Balog)
Balogによると、同新製品は現在ベータテストの段階であり、2006年第1四半期に製品版が登場する見込みだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ