IBMは2006年に、ブレードサーバ用の新しい筐体を投入し、ネットワーク機能と柔軟性を強化すると、同社ブレードグループの新しい責任者が米国時間20日に明らかにした。
ブレードサーバは、共有のネットワークと電源インフラを供給する筐体に差し込む薄型システムである。IBMが新しく発表する筐体は、2002年に発表された同社の現行ブレード製品とも互換性を持つものになると、BladeCenter部門バイスプレジデントのDoug Balogは述べている。これにより、現行のブレード製品を新しい筐体で使うことができると同時に、、新しいブレードサーバを、IBMが今後も販売を継続する従来の筐体で使うことが可能になる。
Balogはインタビューに答え、「来年、筐体の品揃えを拡張する。ただし、これは置き換えではない」と述べた。それまで「BladeCenter」製品の開発を指揮していたBalogは、5月に同製品グループ全体の責任者に就任していた。
2006年には、IBMの「PowerPC 970MP」を搭載するサーバも投入される。PowerPC 970MPは、IBMのブレードサーバ「JS20」に採用されているPowerPCのデュアルコア版となる。PowerPC 970MPは、Apple Computerの最新型「Power Mac」にも採用されている。「来年早々の発表を楽しみにしている」(Balog)
ブレードサーバは、サーバ市場全体を通して、成長が最も著しい分野だ。Gartnerによると、IBMのBladeCenterのシェアは、第2四半期には4億1900万ドルあったブレードサーバ市場全体の42%を占めたという。
IBMは、Hewlett-Packard(HP)から首位の座を守るための取り組みを続けている。HPは、市場シェアの34%を獲得し、IBMに迫る唯一の競合企業となっている。また、Dellは2004年にブレード市場への再参入を果たした。市場シェア第4位のSun Microsystemsは、2006年に2度目の参入を計画している。
IBMによると、2005年第3四半期のブレードサーバの売上は、前年同期比で90%増加したという。同社は売上額については公表しなかったが、Technology Business ResearchアナリストのChris Fosterは、2億5000万ドルと見積もっている。
ネットワークの仮想化
ブレードサーバ同士は、バックプレーンと呼ばれる共有データパスを使って通信する。また、ブレードサーバは、バックプレーンを介して、ネットワーク用スイッチモジュールと接続される。これらのスイッチモジュールと他のハードウェアとの接続には、標準のコンピュータネットワークではイーサネット、ストレージネットワークではiSCSIとFibre Channel、または複数のネットワークプロトコルではInfiniBandと、さまざまな方法が使われる。
現行のBladeCenterのバックプレーンは、毎秒4ギガビットでデータを転送している。次世代の設計では、この速度が40GbpsになるとBalogは述べる。この値は、InfiniBandのバージョン4xの使用を可能にする容量となる。
なお、デルは「Paxville」(開発コード名)と呼ばれるIntelの新しいデュアルコア「Xeon」プロセッサをブレードサーバに採用している。しかし、IBMは、2006年第1四半期に投入が予定される本格的なデュアルコアチップ「Dempsey」まで、ブレードサーバへのデュアルコアチップ搭載を見送ることに決定している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ