「全分野で新製品を投入する」--インテル、エンタープライズ戦略を語る

藤本京子(編集部)

2006-08-21 19:26

 インテルは8月21日、同社のエンタープライズ戦略について説明会を開催した。来日したIntel上席副社長 兼 デジタルエンタープライズ事業本部長のPat Gelsinger氏は、「2006年はプロセス技術が90nmから65nmへと移行した。また、インテルCoreマイクロアーキテクチャを採用した新製品をリリースし、新プラットフォームも発表した。通常このような大きな発表は1年に1つか2つほどだが、2006年は3つの分野で新たな発表をしている。インテルにとって2006年は飛躍の年だ」と述べた。

 プロセス技術についてGelsinger氏は、「2006年春に65nmの投入量が90nmを超えた。今年中には生産の大半が65nmになるだろう」と述べた。これにより、「パフォーマンスが向上し、シングルコアのダイサイズでデュアルコアの生産が実現できる。また、量産化によるコスト削減も可能だ」とした。

Intel上席副社長 兼 デジタルエンタープライズ事業本部長のPat Gelsinger氏 Intel上席副社長 兼 デジタルエンタープライズ事業本部長のPat Gelsinger氏

 インテルでは、7月末にデスクトップPC向けのCore 2 Duoプロセッサ「Conroe」(開発コード名)およびノートブックPC向けのCore 2 Duoプロセッサ「Merom」(開発コード名)を発表したばかり。これらのプロセッサと、6月末に発表されたサーバ用の「デュアルコア インテル Xeon プロセッサー 5100番台」(開発コード名「Woodcrest」)は、同社の新アーキテクチャ「インテルCoreマイクロアーキテクチャ」を採用している。Gelsinger氏は「新アーキテクチャ搭載のCore 2 Duo発表の際、多くのプレスやアナリストが機能性やエネルギー効率の高さなどにおいて、この製品を非常に高く評価した」とアピールし、「通常プレスはネガティブなとらえ方をしがちだが、この製品ではそれがなかった」として、新製品に対する自信を見せた。

 同じく7月にインテルは、Itanium 2ファミリーのデュアルコア版「デュアルコア インテル Itanium 2プロセッサファミリー9000番台」(開発コード名「Montecito」)も発表した。Gelsinger氏はItaniumについて「メインフレームからの移行や、ハイパフォーマンスコンピューティングの分野で採用が進んでいる」とした。特に、日本での成長率の高さが顕著で、「IDCの調査では、日本のItanium搭載システムの売上金額が、対SPARCで111%、対Powerで109%伸びている」と述べ、日本ではすでにItaniumがハイエンドの選択肢となっているとした。

 このように2006年になって次々と新製品を投入しているインテルだが、「2006年後半にはさらに新製品を発表する」とGelsinger氏。サーバ用製品ではXeonの7100番台や、ワークステーション用のCore 2 Duo、クライアント用では企業向けPCのプラットフォームとなるvProの詳細も発表予定だ。さらに、年内にはクアッドコア製品の発表も予定している。

 「2006年を通じて、ハイエンド製品からモバイル製品まで、すべての分野において新製品を投入することになる。競合もいるが、今年はパフォーマンスでもエネルギー効率でもインテルがリーダーシップを取る」(Gelsinger氏)

 同日インテルは、vProを中心とした製品群やソリューションを紹介する施設、「インテル・エンタープライズ・テクノロジー・ショーケース」を開設した。インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏は、「最新の技術は、単にその技術を搭載した製品をそろえただけで優位性が発揮できるわけではない。ソフトウェアやサービスなどの周辺環境が整わなければ技術の恩恵が十分受けられないのだ」と述べ、インテル・エンタープライズ・テクノロジー・ショーケースを通じて、vPro普及に向けたエコシステムを確立したいとした。

インテル・エンタープライズ・テクノロジー・ショーケースのテープカット(右がGelsinger氏、左が吉田氏) インテル・エンタープライズ・テクノロジー・ショーケースのテープカット(右がGelsinger氏、左が吉田氏)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. 運用管理

    IDCレポートが明かす、AI時代において「プライベートAIインフラ」が企業競争力に果たす役割と効果

  3. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  4. ビジネスアプリケーション

    新規アポ率が従来の20倍になった、中小企業のDX奮闘記--ツール活用と効率化がカギ

  5. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]