デルの日本法人 代表取締役社長のJim Merritt氏は8月29日、同社が15日に発表したソニー製充電池搭載ノートブックPCのバッテリーの自主回収について説明した。このバッテリーは、2004年4月1日から2006年7月18日にかけてデルが日本国内で販売した一部機種に搭載されており、使用中に発火の可能性があるというものだ。
Merritt氏は、「今回発覚した問題は、デルのシステムデザインの問題ではなく、リチウムバッテリーの生産過程で起きた問題だ。ソニーはすでにこの問題を認識しており、是正措置を導入している。バッテリーによる事故が起こる確率はほとんどない。しかし、万が一のことを考えると、自主回収することが正しいことだと判断した」と、今回のリコールについて述べた。
同様のバッテリーを使っている場合、デル以外のPCでも問題が起こる可能性があるのかという質問に対し、Merritt氏は「それはソニーに聞いてみないとわからない」としながらも、「他のメーカーでもリコールがあったばかりだ」と述べ、デル特有の問題ではないことを主張した。
一部報道によると、今回のリコールによる費用は約2億ドルにのぼるとされている。その大半はソニーが負担するとされているが、「詳細は守秘義務があるので話せない。ただし、デルには今回のリコールによる財務的な影響はない」とMerritt氏。また同氏は、「ソニーはこれまでも、そしてこれからもよきパートナーだ。バッテリーの供給元を変更する必要はないだろう」と述べている。
今回のリコールで同社のブランドイメージに対する影響はないのかとの問いに対し、Merritt氏は「顧客からはむしろ、自主回収を開始したことに対し、正しい判断だと前向きに受け止めてもらっている」と述べ、ブランドを傷つけるものではないとした。
米Dellでは、リコール予定のバッテリーの数を410万個としているが、日本国内でリコールの対象となった台数は公表されていない。ただ、Merritt氏は「対象となった台数の割合は全体の数%に過ぎない」としている。