NTT-X Store、低価格Windows Server搭載の「5万円サーバ」を発売--予約特典「痛鯖」の狙いは?

日高彰

2009-05-19 11:35

 NTTレゾナントは、同社が運営するオンラインストア「NTT-X Store」で、NECの低価格PCサーバと「Windows Server 2008 Foundation」のバンドル販売を開始すると発表した。発売日は5月30日。

 ベースとなるマシンはCeleron 430(1.80GHz)を搭載したミニタワー型の「Express5800/110Ge」で、販売価格は4万9800円。さらに今回は5月18日から29日までの予約特典として、本体デコレーション用の美少女イラストステッカー「痛鯖(イタサバ)キット」が先着100台に付属する。

痛鯖キット 予約特典の「痛鯖キット」ステッカーを装着した「Express5800/110Ge」(出荷時はステッカーは貼られていない)

 小規模事業所向けのサーバでは低価格の製品が売れ筋となっているが、ここ2〜3年の間に、OSやHDDを含まない最小構成の実売価格が2万円以下という「激安サーバ」も登場してきている。そのような製品は、SOHOや社内の各部門といった当初の想定顧客以外に、PCの自作を楽しむような個人のパワーユーザーからも人気を集めている。

 NTT-X Storeでは2年ほど前から低価格サーバの販売に本格進出し、2008年度のサーバ販売台数は約3万台。格安商品の入荷時期をメールマガジンで告知するといったプロモーション展開に力を入れており、最近ではパワーユーザーの集まるネットコミュニティで「激安サーバ販売の定番ショップ」といった評価を得ているという。

 今回、マイクロソフトが低価格サーバOSのWindows Server 2008 Foundationをリリースしたことで、マシンとOSをセットにしても5万円を切る価格が実現可能となった。「痛鯖」は「痛車(いたしゃ)」にヒントを得たものだが、この異色の試みにより、低価格マシンに加えてサーバOSについてもパワーユーザーの関心を高めるのがねらいだ。

 ちなみに「痛車」とは、アニメやゲームなどに登場するキャラクターのイラストをペイントした自動車のこと。そのオーナーが自分たちの車を半ば自嘲的に「痛々しい車」の意味で「痛車」と呼び始めたのが始まりと言われ、現在ではアニメなどのファン活動の中で一つのジャンルを形成している。

梅田成二氏 マイクロソフト、サーバプラットフォームビジネス本部 副本部長の梅田成二氏

 個人ユーザーにWindows Server 2008 Foundationが普及しても、マイクロソフトにとってのビジネスメリットは小さいかのように思われるが、同社サーバプラットフォームビジネス本部副本部長の梅田成二氏は「低価格サーバのユーザーを調査したところ、“Super Engaged”ユーザーが31%、“Enthused Practicals”ユーザーが27%も含まれることがわかった」と説明する。

 “Super Engaged”とは最もITリテラシーが高く、周りから「IT・PCのことならあの人に聞けば何でも分かる」と見られるような人々を指す、同社のマーケティング用語だ。日本の全人口の5%がここに相当するという。“Enthused Practicals”はそれに次ぐ新しいモノ好きの人々を指し、全人口の10%にあたる。これらITリテラシーの高い人々は、IT製品の導入に関して周囲への影響力が高いと同社は考えている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

  3. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  4. ビジネスアプリケーション

    データリーダーが知っておくべき、AI活用の投資対効果を高める「実効性のある戦略策定」の進め方

  5. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]