NTTレゾナントは、同社が運営するオンラインストア「NTT-X Store」で、NECの低価格PCサーバと「Windows Server 2008 Foundation」のバンドル販売を開始すると発表した。発売日は5月30日。
ベースとなるマシンはCeleron 430(1.80GHz)を搭載したミニタワー型の「Express5800/110Ge」で、販売価格は4万9800円。さらに今回は5月18日から29日までの予約特典として、本体デコレーション用の美少女イラストステッカー「痛鯖(イタサバ)キット」が先着100台に付属する。
小規模事業所向けのサーバでは低価格の製品が売れ筋となっているが、ここ2〜3年の間に、OSやHDDを含まない最小構成の実売価格が2万円以下という「激安サーバ」も登場してきている。そのような製品は、SOHOや社内の各部門といった当初の想定顧客以外に、PCの自作を楽しむような個人のパワーユーザーからも人気を集めている。
NTT-X Storeでは2年ほど前から低価格サーバの販売に本格進出し、2008年度のサーバ販売台数は約3万台。格安商品の入荷時期をメールマガジンで告知するといったプロモーション展開に力を入れており、最近ではパワーユーザーの集まるネットコミュニティで「激安サーバ販売の定番ショップ」といった評価を得ているという。
今回、マイクロソフトが低価格サーバOSのWindows Server 2008 Foundationをリリースしたことで、マシンとOSをセットにしても5万円を切る価格が実現可能となった。「痛鯖」は「痛車(いたしゃ)」にヒントを得たものだが、この異色の試みにより、低価格マシンに加えてサーバOSについてもパワーユーザーの関心を高めるのがねらいだ。
ちなみに「痛車」とは、アニメやゲームなどに登場するキャラクターのイラストをペイントした自動車のこと。そのオーナーが自分たちの車を半ば自嘲的に「痛々しい車」の意味で「痛車」と呼び始めたのが始まりと言われ、現在ではアニメなどのファン活動の中で一つのジャンルを形成している。
個人ユーザーにWindows Server 2008 Foundationが普及しても、マイクロソフトにとってのビジネスメリットは小さいかのように思われるが、同社サーバプラットフォームビジネス本部副本部長の梅田成二氏は「低価格サーバのユーザーを調査したところ、“Super Engaged”ユーザーが31%、“Enthused Practicals”ユーザーが27%も含まれることがわかった」と説明する。
“Super Engaged”とは最もITリテラシーが高く、周りから「IT・PCのことならあの人に聞けば何でも分かる」と見られるような人々を指す、同社のマーケティング用語だ。日本の全人口の5%がここに相当するという。“Enthused Practicals”はそれに次ぐ新しいモノ好きの人々を指し、全人口の10%にあたる。これらITリテラシーの高い人々は、IT製品の導入に関して周囲への影響力が高いと同社は考えている。