富士通は3月31日、ミッションクリティカルシステム向けのIAサーバ「PRIMEQUEST 1000シリーズ」を発表した。協業するIntelが同日発表したサーバ向けプロセッサ「Xeon 7500番台」を搭載する。同日から出荷を開始する。
10年サポートを提供するロングライフモデルを用意
PRIMEQUEST 1000シリーズは、「信頼と可用性」「拡張性」「柔軟性と運用性」「グリーン」を特徴とする。信頼と可用性という点では、開発と品質保証の体制をメインフレーム開発と同等の仕組みを取ることで担保。また、一般的なIAサーバと比べ10分の1〜5分の1という一桁低い業務停止率を実現しているという。拡張性は、PRIMEQUEST現行機と比べて3〜6倍のプライスパフォーマンスを目指した。
柔軟性という点では、ハードウェアパーティション機能と仮想化技術を有効に活用することで、柔軟な構成が可能になるとする。また、今後は富士通のメインフレームOS「XSP」やオフコンOS「ASP」にも対応したい考えだ。運用面では長期サポートサービスとセットで提供するロングライフモデルを用意した。ハードウェア、OS(Linux)、ミドルウェアを、それぞれのサポートメニューで最大10年に渡り保守する。グリーン対応としては、PRIMEQUEST現行機比で消費電力を約3分の1に削減した。
PRIMEQUEST 1000シリーズは、1400S、1400E、1800E、1400L、1800Lの5機種で構成。1400Sは低価格なエントリーモデルで最大4CPU/32コア、最小構成標準価格(税別、以下同)は300万円から。1400Eと1800Eはエンタープライズモデルで企業での利用を想定、1400Eは最大4CPU/32コアで710万円から、1800Eは最大8CPU/64コアで1140万円から。1400Lと1800Lは最大10年の保守が付くロングライフモデル。1400Lが最大4CPU/32コアで920万円から、1800Lが最大8CPU/64コア1480万円からとなっている。
ミッションクリティカルの代名詞「arrowhead」
東京証券取引所で1月4日から稼働を始めた株式売買システム「arrowhead」では、PRIMEQUESTの現行機が活用されている。富士通 IAサーバ事業本部長の河部本章氏は、「arrowheadはPRIMEQUESTの集大成といっても過言ではない」と実績に胸を張る。
河部本氏によれば、当初は注文応答時間を5ミリ秒として開発を受けたが、2ミリ秒を実現したという。従来のメインフレームによる応答時間と比べ「1000倍の高速性」と河部本氏は述べ、PRIMEQUESTの高速性を強調している。また、拡張性としては、常にピーク時の2倍のキャパシティを用意しており、増設の必要があれば1週間以内に拡張できるとしている。
ミッションクリティカルシステムの代名詞ともいえる株式売買システムだが、1月4日の稼働開始から「ノートラブル」(河部本氏)で運用されている模様だ。