富士通は1月20日、厚生労働省にSaaS型「新型インフルエンザ罹患情報管理サービス」を納入したと発表した。
同社では「厚生労働省はこのサービスにより、約500カ所の保健所からの新型インフルエンザ発生状況の収集を効率化できる。また、情報が一元化され、政策判断に必要な情報を迅速に管理することができることで、緊急の施策立案にも迅速な対応が可能になる」としている。
SaaS型「新型インフルエンザ罹患情報管理サービス」は、企業や組織の「事業継続」「リスク管理」を支援するため、罹患情報や問い合わせ内容を管理するサービス。インターネット回線を通じ、全国の保健所からリアルタイムで罹患情報を収集、集計する。罹患情報の一元的な管理を実現し、蓄積したデータを利用した分析も可能となるという。
新型インフルエンザの集団感染数や入院患者の状況は、各学校、社会福祉施設、医療施設から全国の保健所、自治体を経由して、最後に厚生労働省へと報告されているが、これら関係各所は、手作業で収集や報告をしており、収集作業と情報管理を効率化しなければならないという課題を抱えていた。
富士通では「このサービスを利用することで、手集計やパソコンなどで個別に行っている複雑な罹患情報の管理を、短期間に低価格でシステム化することができる。新たなシステム構築は不要。同様の仕組みを新たに構築しようとした場合、半年から1年程度の準備、開発期間が必要になるが、SaaS型であれば検討から約1カ月という短期間でサービスの運用開始が可能となり、新型インフルエンザの流行期に対応できた」としている。今後、自治体向けの感染症サーベイランスや都道府県、保健所のワクチン在庫管理などにも、このサービスを提供していく意向だ。