伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は11月5日、クラウドコンピューティングのカンファレンス「CTC クラウド Day 2010〜クラウド時代のビジネスインフラストラクチャーを創造〜」を東京・港区で開催した。
カンファレンスの冒頭、同社代表取締役社長の奥田陽一氏は「この1年で企業のクラウド導入への機運は大きく加速している。ITの活用に際して、クラウドがコスト抑制という重要なテーマを実現できることが認識されてきた」と、企業のクラウド活用の背景を説明した。
また、クラウド化の流れとともに「今後、企業の情報システム部門やCIO(最高情報責任者)の役割も大きく変化する可能性がある」と述べ、「クラウドでは基本的にITインフラが全社共通になり、それを預かる情報システム部門は、縦割りではなく横串の発想が必要になるからだ」(同)と、その理由を解説。「来年度はあらためて組織論に関心が集まることになるかもしれない」との認識を示した。
「クラウドはまさに始まったばかりで、まだまだこれから。クラウドの本格導入に向けて企業が動き始める。当社はこれからも幅広い要望に応え、全力で取り組んでいきたい。当社はマルチベンダー環境に強い構築力があり、安心、安全なデータセンターを保有している。これらを柱としてサービスを提供していきたい」(奥田氏)
CTCでは「cloudage」と名づけた新たなクラウドビジネス体系を整備。次の5つのカテゴリに分類して多くのソリューションやサービスを提供し、今後予想されるクラウド需要拡大を視野に取り組みをいっそう強化しているという。
- プライベートクラウド構築ソリューション
- 仮想化ホスティング
- SaaS
- クラウド導入コンサルティング
- クラウド運用アウトソーシング
パブリックとプライベートクラウドの違いを知るための視座--IDC 松本氏
基調講演では「クラウドの潮流〜適材適所から、さらなる発展へ〜」と題し、IDC JapanでITサービス リサーチマネージャーを務める松本聡氏が登壇。クラウド導入を検討している企業向けに、クラウドの種類や最適な選び方を解説した。