データベース大手企業Oracleは米国時間7日、Innobase Oyの買収を発表した。Innobaseは、フィンランドの株式非公開企業で、オープンソースデータベースを開発するMySQLと密接な関係がある。
買収の条件は明らかになっていない。
Innobaseは、MySQLデータベースにデータを保存するためのデータベースエンジン「InnoDB」を開発している。同社は10年前に設立され、業績も好調だ。InnoDBは、GNU GPL(General Public License)の下で、MySQLデータベースとともに配布されている。MySQLは、Oracleデータベースの安価な代替製品として利用されている。
Oracleは今回の買収について、オープンソース製品に対する同社の取り組みがさらに強化されていることを意味すると述べた。
「Oracleは、InnoDB技術の開発を継続し、オープンソースソフトウェアとの関わりを深めるつもりだ」と、Oracleのデータベースおよびミドルウェア技術担当エグゼクティブバイスプレジデントCharles Rozwatは声明で述べた。「Oracleは、クラスタ化したオープンソースのファイルシステムをLinux向けに既に開発および寄贈している。今後も何らかの貢献をしていく意向だ」(Rozwat)
Oracleは、2006年に更新時期を迎えるInnobaseとMySQLの間の契約について、更新する意向だという。
MySQLは8日に声明を発表し、今回のOracleの動きは、同社が「オープンソース化の動き」を支持していることを意味すると述べた。
「オープンソースソフトウェアとGPLライセンスの素晴らしさは、自由なところにある。MySQLのすべてのコード同様に、InnoDBは、GPLライセンスの下で提供される。これは、ユーザーが、InnoDBのコードベースを自由に利用したり、改変したりできることを意味する」と、MySQLの最高経営責任者(CEO)Marten Mickosは述べた。さらに、「これは、データベース開発者に、MySQLとOracleを同じ環境で使用するという、柔軟な選択肢が与えられることも意味する」と付け加えた。
Mickosはまた、顧客が、InnoDB以外のデータベースストレージエンジンを選択してMySQLを稼働させることも可能である点にも言及した。
MySQLは、オープンソースライセンスの下で製品を提供し、大手データベース企業からシェアを奪取することを狙ったビジネスモデルを採用する、小規模企業の1社である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ