2006年10月18日に開催された「NEC REAL IT PLATFORM SEMINER」の特別講演では、NEC執行役員常務の丸山好一氏と、日本オラクルの取締役でシステム事業担当常務執行役員の保科実氏が登壇。両社の戦略的技術協業(STA)の意義を強調した。
高度化するサービス要求に対応するIT基盤が必須
特別講演の前半に登壇した丸山氏は、同社が2006年7月18日に発表した次世代ITプラットフォームのビジョン「REAL IT PLATFORM」の誕生の背景とコンセプトを説明した。
NEC執行役員常務の丸山好一氏。
冒頭、丸山氏は、日本証券業協会等のデータを引用しながら、消費者のネット利用が急拡大している現状を明らかにした。2004年度に512兆円だった証券取引の売買代金総額に対して、証券のオンライン取引が132兆円となり、全体の25.9%にも達したこと、またEコマースの市場規模も、音楽・書籍が前年比50%増の2070億円、食料・飲料が39.5%増の2990億円になっているという。
通信と融合するのは放送ばかりではなく、金融やコンテンツ、コマースなどもユビキタス環境で次々と融合しており、通信量はこの1年間で1.5倍に増え、時間帯や時節などで短時間にアクセスが増減する状況となっている。
「ブロードバンドの進展やNGN(新世代ネットワーク)の実現可能性が高まることにより、新たなビジネスチャンスが次々と現れている。こうしたビジネスチャンスにいち早く対応でき、より高度化するサービス要求に確実に応えられるIT基盤が必須となっている」と丸山氏は語る。
2つの「リアル」を実現するための次世代IT基盤
こうした背景から、「柔軟」(変化への迅速かつ容易な対応)と「安心」(高信頼システムの経済的な構築)、「快適」(多様なリソースの容易な運用)の3つが、エンタープライズIT基盤の要件になると考えたNECでは、IT基盤のあるべき姿として、「現実解(リアル)の提供」と「真(リアル)の次世代IT基盤を追求」という2つのリアルを実現するため、「REAL IT PLATFORM」の概念を提唱したという。
その基礎にあるのは、これまでNECが培ってきたメインフレームやスパコン開発での高信頼性にまつわる技術蓄積と、オープン環境での大規模開発のノウハウの融合だとする。
このIT基盤において柱となるキーワードの「柔軟」「安心」「快適」は、それぞれNECの仮想化技術、高信頼技術、統合化技術とシンプル運用技術で提供される予定だ。
「柔軟」を実現する仮想化技術においては、スケーラブルサーバやスケーラブルストレージ技術、統合VM(Virtual Machine)技術が中核になる。スケーラブルサーバ技術では、将来のシステム拡大に応じ、最小構成から最大構成まで、シームレスにサーバ構成を拡張できるビルドアップ構造を導入。丸山氏は、それを2008年までに提供するという。
また、NECではストレージ環境でもビルドアップを実現している。通常は、ローエンドからミッドレンジ、そしてハイエンドへのアップグレードはデータ移行無しには不可能だったが、同社のスケーラブルストレージ技術では、分散キャッシュ技術を導入し、ストレージシステムを止めずにオンラインアップグレードが実現できるという。
加えて今後、VM技術がサーバシステム構築のキーポイントになるが、統合VMテクノロジーによって、VMware基盤やXen基盤など、ヘテロな仮想化環境を統合管理し、ヘテロVM間で様々なアプリケーションを柔軟に配置できる基盤を来年度にも提供できるという。
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