マイクロソフトの日本における戦略として、同社 代表執行役社長のDarren Huston氏が「Plan-J」を立ち上げて2年が過ぎた。7月9日に開催された2008年度のマイクロソフト経営方針説明会にてHuston氏は、「Plan-Jの進展は順調だ」と述べた。
Huston氏は、これまでのPlan-Jの取り組みを振り返り、「多くの地方自治体や教育・研究機関と協力関係を結んだほか、支店も増やし、地域企業との関係も密接になった。顧客やパートナーの満足度も向上した。また、Windows MobileやMicrosoft Dynamicsの日本での展開など、日本市場での製品ポートフォリオも増加した。さらには、ITの浸透度が低い中小企業などでもITが活用できるような取り組みを進めた。こうしたことが、われわれのビジネスの成長にもつながっている」とした。
Plan-Jが3年目を迎えるにあたってマイクロソフトでは、Huston氏が「成長分野だ」と見ているデジタルライフスタイルとデジタルワークスタイルの2分野に注力する。
デジタルワークスタイル分野は、代表執行役 COOの樋口泰行氏が統括する。まず今秋には、品質に対する日本の顧客の要求レベルに応えられるよう、品質担当責任者を置く。製品ごとにはこれまでも品質が管理されていたが、「製品そのものの品質のみならず、顧客ニーズに合わせた作り込みが発生する際の品質、さらにはトラブル時の対応の品質など、あらゆる面で品質に責任を持つ体制を整える」と樋口氏は話す。
「これまで品質という観点では、個別の担当者が対応するなどしていたが、責任が明確になっていなかった。今後はすべて横断的に担当する責任者を置き、品質を最優先とする」(樋口氏)
ほかにも、デジタルワークスタイル分野で注力することとして樋口氏は、社員力を強化してビジネスの成功に結びつけるというビジョン「People-Ready Business」をさらに推進することや、ソリューションパートナーの拡大、サービスビジネスの強化を挙げている。
一方のデジタルライフスタイル分野はHuston氏が統括する。「日本はこの分野で先進国」(Huston氏)としながらも、「コンシューマーは携帯電話だけでなく家電などに対しても、よりスマートなデバイスを求めている。同時に、こうしたデバイスを利用するにあたって安全性も確保したいと考えている」と述べる。
こうしたニーズに応えると共に、Huston氏は今後さらなるコンテンツパートナーとの連携や、デバイス同士の相互接続性の向上、MSNやLiveサービスの強化、Windows MobileとXbox 360の販売拡大などにもフォーカスするとしている。