マイクロソフトは7月3日、香川、愛媛、徳島、高知の4県を担当地域とする営業所「四国支店」(香川県高松市)を開設した。四国支店では、地域における顧客との交流やパートな企業との協業、自治体/教育機関/NPOなどとの連携による地域貢献、技術者育成による産業振興、産学連携などの企業市民活動などを推進することで、地域に根ざした企業活動を展開する。
四国支店は、マイクロソフトにとって10番目となる支店。すでに、北海道、東北、首都圏、中部、関西、中国、九州に支店が営業を開始していたが、2007年に入り日本市場向け戦略である「Plan-J」の取り組みのひとつである「日本市場への投資の拡大」に基づき、2月に北関東支店(群馬県高崎市)を、6月に北陸支店(石川県金沢市)を新たに開設。さらに2008年には沖縄支店(沖縄県那覇市を予定)の開設も予定されている。
四国支店では2010年に、ライセンス売り上げの年平均成長率を20%にするほか、パートナー制度の強化を目的に、22社の認定パートナー企業を40社に、登録パートナー企業を168社から300社に拡大する計画。また、技術者の育成にも注力し、現在270名の認定技術者を1000名に拡大することを目指している。
四国支店の支店長に就任した楠瀬博文氏は、「これまで四国は、広島や大阪の支店からサポートを提供していた。しかし、こうした対応では、ユーザーが広島や大阪に行くためのコストがかかるほか、マイクロソフトとしてもサポート範囲が限られてしまう。四国支店の開設により、四国のユーザーを四国でサポートできる。これにより、さらに地域に根ざした企業活動を展開していきたい」と話す。
また代表執行役社長であるDarren Huston氏は、「四国は日本市場においては全体の3%の市場にすぎないが、タイやフィンランドと同じ規模の経済圏であり、今後の成長が期待できる地域。穴吹工務店やセシールなどのユーザーが数多くいるほか、ときには競合することもあるがジャストシステムのような優れたパートナー企業もたくさんある。また、マイクロソフトには四国出身の社員が非常に多い」と四国支店を作った背景について語る。
同氏はさらに、「私はカナダのバンクーバーで生まれたが、オフィスの目の前に海が広がる香川の風景は非常に懐かしく感じる。景観のすばらしさは、マイクロソフトのオフィスの1、2を争う。楠瀬支店長はラッキーだ」と笑う。
四国支店は当初、営業担当2名、総合事務2名の4名体制でスタートするが、すぐに営業1名、エンジニア1名を追加する計画。「座席は30席あるので、早くビジネスを軌道に乗せて人材の採用面でも四国に貢献していきたい」と楠瀬氏。
今後、四国支店では、年間100回程度のセミナー/トレーニングなどを予定しているほか、2つのテレビ会議機能付き会議室やデモルームなどをパートナー企業やユーザー企業と共に有効に活用していく計画。楠瀬氏は、「こうした取り組みにより、2010年までに売り上げを1.7倍にしたい」としている。そのほかにも、明日7月4日にマイクロソフトと香川県との協業に関する発表が行われる予定になっている。