2008年3月には施行が予定されている日本版SOX法(Sarbanes-Oxley Act:企業改革法)に向けて、各社がさまざまなソリューションを提供しようと動き出している。SAPジャパンとプロティビティ ジャパンは12月6日、日本版SOX法に対応したソリューションの提供において協業すると発表した。
米国におけるSOX法の主な内容としては、匿名の内部通報制度を設けることや、財務報告義務、違反した場合の罰金や刑事罰など、内部プロセスの透明性が求められるものだ。SAPジャパン 代表取締役副社長COO兼CFOの藤原浩氏は、「SAPはこれまでにも、こうしたコンプライアンスの核となる内部統制に向けた製品を提供してきた。米国SOX法に対応するコンサルティングサービスで実績のあるプロティビティ ジャパンと協業することで、SAPの内部統制ソリューションが強化される」と述べた。

- SAPジャパンの藤原氏(左)とプロティビティ ジャパンの神林氏(右)
具体的には、SAPの文書作成ツール「SAP MIC(Management Information Control)」と、プロティビティ ジャパンの内部統制文書化テンプレート「標準RCM(Risk Control Matrix)」を連携させる。
SAP MICは、内部統制に関する文書作成に必要な項目があらかじめ用意されており、統制範囲の定義や統制システムの設計の評価、運用の評価などをサポートする機能が備わっている。同製品を利用することで、統制の目的とリスクを明文化し、文書の一元管理が可能となる。
一方、標準RCMは、外部監査の対象となっている財務報告目的の内部統制を効率的に文書化するためのツールだ。業務サイクルごとに、財務報告目的に関する標準的なリスクが特定されており、そのリスクを低減するための対処法が示される。こうして示されたデータが、財務報告の内部統制評価において必要となる情報に関連づけられ、テンプレートとして提供される。標準RCMは、プロティビティ ジャパンが日本企業向けに開発し直しており、提供開始時期は2006年3月を予定している。
プロティビティ ジャパン 代表取締役社長の神林比洋雄氏は、「標準RCMは、各業務のフローチャートとリスクや対処法などが標準化されているため、統一した形での文書化が可能となる。また、監査人や内部監査スタッフでなくとも担当業務の文書化が可能となるため、文書化のための人員確保が容易になり、業務担当者の内部統制への理解にもつながる」と、同ツールのメリットについて語った。
SAPの藤原氏は、SOX法対応において、対応工数の半分以上がプロセス統制の文書化作業に費やされていることを指摘している。その理由として同氏は、「参照するサンプル文書がないためだ。たいていの業務担当者は、プロセスの統制と、統制を阻害するリスクを整理した経験がなく、作成すべき内部統制文書のイメージがつかめない」と説明、「プロティビティ ジャパンの標準RCMにある文書テンプレートをデータ変換してSAP MICに統合することで、文書化作業の初期工数を削減できる」としている。
SAPでは、他社製品との連携が可能なプラットフォーム「SAP Netweaver」を使って顧客に合ったソリューションを提供する「エンタープライズ・サービス・アーキテクチャ」(ESA)のコンセプトを推進しており、今回のプロティビティとの協業もESA化のひとつの例だとしている。
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