SAPジャパン(ロバート・エンスリン社長)は10月25日、コンプライアンス・ソフトの新製品として、「SAPコンプライアンス・キャリブレータ(SAP CC)」の販売を開始すると発表した。
「SAP CC」は、同社とパートナーシップを築いている米ヴァーサ・システムズ(ジャスビル・ギル会長兼CEO兼CTO)が開発したSOX法対応ソフト。SOX法とは、エンロン事件など米国企業の会計不祥事が連続したことを契機に、米国で02年7月に成立した企業改革のための法律。Sarbanes-Oxley法の略。日本でも現在、08年3月の導入をめどに検討されている。
この米SOX法に対応するソフトとして開発された「SAP CC」は、内部統制上のリスクを事前に把握できる機能を持ち、評価サイクルの短縮やユーザー権限の分離に関するルール作成、逸脱したルールの特定化なども可能。監査プロセスの改善と簡素化、文書を含めた内部統制プロジェクト全体の管理、業務プロセス単位の統制リスクと課題を監視できるERPソフト「mySAP ERP」のコンプライアンス機能を補完し、権限設定が適切かどうかを自動的にチェックできることが特徴だ。
SAPジャパンでは、これまで「mySAP ERP」を中核に内部統制を切り口としたシステムを提供してきたものの、権限設定が導入企業に依存する傾向が高かった。日本版SOX法の施行前に対応を検討する企業を支援するために「SAP CC」を日本市場に投入、「mySAP ERP」との連動でコンプライアンス対応システムを強化することに踏み切った。
販売は直販が中心。エンスリン社長は、「日本ではコンサルティングのトレーニングを強化している」と、コンプライアンスに対するコンサルタントを増員することで拡販していく方針。また、間接販売での展開も視野に入れており、「1−2社でも販売パートナーを獲得したい」と販路を増やしたい考えを示した。
また、会見には米ヴァーサ・システムズのギル会長も同席し、「当社のソフトは、各国のSOX法に対応する。しかも、ユーザー企業がカスタマイズできることが強み」と、競合他社との優位性をアピールした。