Sun Microsystemsが、オペレーティングシステム(OS)であるSolarisの起動プロセスを見直している。同社は、冗長で旧式の手法を廃止することで、同OSを、より高速で親しみやすく、使いやすいものにすると述べる。
Sunは米国時間14日、同社製Unix OSのオープンソースバージョンであるOpenSolarisを発表した。このなかには、「Newboot」というコンポーネントも含まれていた。同社は、OpenSolarisで複数のコンポーネントの見直しを行っただけでなく、GRUB(Grand Unified Bootloader)と呼ばれるソフトウェアも採用している。GRUBは、Red Hat Enterprise LinuxやSuse Linux Enterprise Serverなど、他の多くのLinuxで利用されているソフトウェアだ。
SolarisはIntelのPentiumやAdvanced Micro Devices(AMD)のOpteronのようなx86プロセッサを搭載したコンピュータ上でも動作する。だが、コンピュータのハードウェアを制御するドライバが必要となることが、起動プロセスがスムーズにいかない要因となっていた。
だが現在は「起動のための特別なデバイスドライバを必要としなくなった。そのため、非常に幅広い種類のハードウェアをサポートできるようなった」と、Sunでx86サーバの販売を行っているネットワークシステム部門のエグゼクティブバイスプレジデントJohn Fowlerは説明する。
SunがSolarisをできるかぎり広範囲なハードウェア上で動作させようとするのは、何も驚くべきことではない。Newbootの新規追加やOpenSolaris提供にみられるような行動を通して、SunはSolarisの復権を試み、より多くの開発者やソフトウェアパートナー、ユーザーを惹きつけようとしている。
この変化を喜ぶSunの人間はFowlerだけではない。SolarisプロブラマのCasper Dikは、自身のブログで、起動ドライバを記述するには「お金がいくらあっても入手困難」なプログラム開発ツールが必要だったと述べている。「これも、もう過去のことだ。今だから告白する」(Dik)
またGRUBを採用したことにより、Solarisはコンピュータ業界の主流に近づくだろうと、Fowlerは予測している。「(Solarisは)広く受け入れられるものになるだろう」(Fowler)
新しい起動プロセスでは、起動OS選択の一覧を表示させるGRUBからスタートする。もしユーザーがSolarisを選択した場合、GRUBはMultibootと呼ばれるSunのソフトウェアへとシステムの制御を明け渡す。SolarisのエンジニアJan Setje-Eilerは、6月14日付けのブログの中でこの技術の詳細を説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ