ウイルス対策ソフト大手のソフォスは7月26日、企業・自治体のLinuxサーバ導入や用途、ウイルス対策ソフト導入についての自社調査結果を公表した。
今回の調査結果でソフォスは、企業・自治体が導入しているLinuxサーバは約4万台と推計している。Linuxを含めた全サーバは約86万台であるため、そのうちの約5%がLinuxサーバになる。
Linuxサーバの出荷台数は伸びているが、そのほとんどがSolarisなどのUnixサーバからの置き換えであり、WindowsサーバからLinuxサーバへ置き換えるケースはまだまだ少ないと、ソフォスは見ている。この現状はサポートや技術者の不足に起因しており、Linuxサーバの導入台数を増やすためには技術者を増やすことが不可欠であると分析している。
また今回の調査は、現在稼動している約4万台のLinuxサーバのうち、ウイルス対策ソフトを導入しているのは約1万台(25%)であり、Linuxサーバの75%がウイルス対策をしていないという実態を明らかにした。
Linuxサーバの用途はウェブやメールなどのフロントエンド系が最も多く、次いでデータベースサーバ、ファイル・プリントサーバとなっている。これらの用途は現在導入されているLinuxサーバの60%を占めており、ウイルス対策が不可欠なサーバである。75%のLinuxサーバがウイルス対策をしていないという実態とあわせて考えると、ネットワークへのウイルス侵入、ウイルスのネットワーク全体の拡散を許している可能性があり、ネットワークが危険な状態にさらされていると、ソフォスは分析している。
ソフォスは、LinuxはWindowsと比べてウイルス被害を多く受けていないが、セキュリティに無関心でいてはいけないと警告している。Linuxには悪影響のないウイルスであっても、WindowsなどLinux以外の基本ソフト(OS)に感染するウイルスを通過させたり、保存する危険性があるためだ。ソフォスでは、Windows環境と同様のセキュリティをLinuxサーバでも検討すべきとしている。
今回の調査は、年商30億円以上の企業と都道府県庁・市区の自治体を対象に、調査会社の矢野経済研究所に委託して行った。