NECは10月18日、サイエンスグリッドコンピューティング用ミドルウェア「WebSAM GridSchedulingMaster」の発売を開始した。第一号ユーザーは東京農工大学で、府中キャンパスと小金井キャンパスの約320台のPCに導入されている。
WebSAM GridSchedulingMasterは、夜間や休日などシステムが使用されていない時間帯にPCやワークステーションなどをクラスタ化し、大量かつ高速の計算処理を実現するサイエンスグリッドコンピューティング用のミドルウェア。異なるハードウェアはもちろん、Windows、Linux、Mac OSなどのOSが混在した環境においても利用可能。ウェブ対応のユーザーインターフェースにより、一台のコンピュータシステムを操作するようにグリッド環境を設定できる。
販売価格は税別370万円より。システム構築を支援する「グリッド環境構築サービス」やユーザー固有のカスタマイズを実施する「カスタマイズサービス」などのサポートサービスも提供される。 NECでは、「個別のサイエンスグリッドコンピューティングシステムに比べて3分の1程度のコストで構築できる」としている。
NECでは今後、大学の研究活動や製造業における設計シミュレーション、製薬会社のバイオ研究、金融業における金融工学計算やデリバティブ解析など、複雑な科学技術計算を必要とするユーザーに対して、既存のコンピュータリソースを有効に活用するソリューションとして提案。今後3年間で100システムの出荷を見込んでおり、2008年にはグリッド関連事業全体で国内シェア30%を目指す。