CNET News.comが入手した情報によると、EMC傘下のVMwareは来週にも同社の主要製品の1つを無料で配布し始めることを発表する予定だという。
VMwareは「VMware Workstation」「VMware GSX Server」「VMware ESX Server」の3つの主要製品を販売している。同社の計画に詳しい情報筋によると、VMwareは米国時間2月6日には、GSXの無料配布を発表する予定だという。VMwareの製品は、1つのコンピュータ上で複数のオペレーティングシステム(OS)を稼働させるためのもの。以前は、同社が市場を独占していたが、この市場にも競争相手が出現しつつある。
GSXでは、WindowsやLinuxの「ホスト」OSが作る仮想マシン上で「ゲスト」OSを稼働させることができる。上位モデルのESXは、ホストOSを必要とせず、サーバ上のOSのすぐ下のレイヤーで直接動作する。
VMwareにとって、今回の動きには2つのメリットがある。まず1つ目は、仮想マシンをGSXからESXへと移植することが可能なため、GSXのユーザーにESXへのアップグレードを促すことができる点だ。2つ目のメリットは、ソフトウェアを無料で配布することにより、VMwareの技術がより広く使われるようになり、新しく登場する競争相手を抑えて同社の優位性を固められることである。
GSXは現在、デュアルプロセッササーバ向けが1400ドル、それよりも高性能なマシン向けが2800ドルで販売されている。ESXは高価だが、より高度な機能を備えていることも確かだ。稼働中のOSを1つのサーバから別のサーバに移すことができるVMotionもその1つだ。
この件について、VMwareではコメントを控えている。
VMwareは、コンピュータをより柔軟に運用し、多くのタスクを効率的に処理できるようにする仮想化技術の世界で、堅固な地位を築いてきた。同社のソフトウェアは、異なったOSを仮想マシン上で実行できるようにするもの。それぞれのOSはまったく別のコンピュータのように見えるが、実際は1つのハードウェアを共有している。
最近は、VMwareにも新しい競争相手が出現している。競合製品のほとんどはまだまだ未熟だが、すでに無料で配布されている。
VMwareのライバルとして最もよく耳にするのはオープンソースのXenプロジェクトだ。Xenは、商用LinuxディストリビューションのRed Hat Enterprise LinuxとNovell SUSE LINUX Enterprise Serverにも同梱される予定だ。さらに、Microsoftも同様のソフトウェアを開発中で、これを次期サーバ用OS「Longhorn Server」に組み込む予定だ。これらのほかにも仮想化分野の技術としては、Virtual IronやSWsoftのVirtuozzoなどが挙げられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ